【地縛少年花子くん】八尋寧々の友達は〈驚き〉を知らない

十五話 ページ19

…あ、帰ってきた


見ると、他の人達…と、一匹も、帰ってきてる


じゃ、見つからないうちに、退散退散


「きつねうどん」


そう、花子野郎が呟いた気がした


…ヤコさん、生きてたらいいね


まあ、きつねうどんになったら、私も食べるけど


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ー翌日


…そういえば、ブローチ、返してもらってなかった…


まあいいや。今日返してもらおう


そう思いながら、境界から教室へと、歩いて向かっていると


「好きです!付き合ってください!」


という声が聞こえた


あー…告白の木だっけ…


あれ、管理対象だっけなあ…まあいいか


とりあえず、放課後に告白が聞こえるのもめんどくさいし…今から行こう


相手は…作るか


そう思いながら、廊下を駆けていると、金髪祓い屋少年が現れた


源くんだっけ…


源くんもこちらに気づいたようで、こちらに近づいてきた


「金髪祓い屋少年、怪異退治行くよ」


「ちょっ、酷くないですか!?」


どこがだろう


少なくとも、花子野郎よりかはマシなはずだ


まあいいか…


私と源くんは、廊下を駆けてった


途中、先生に叱られたが、早朝なので授業には間に合うから大丈夫だと思う


走ったことに関しては知らない


「源くんよ、ちゃんと告白断れよ」


「わかってますよ、差宇部先輩」


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走っていくと、告白の木についた


見たところ、ただの木だ


周りは、人がいないためか、静かだった


見えるとすれば、通り過ぎる住人達だけだ


…源くん、よくこんな時間に来たな…


私は、境界が学園の中だから、自然と来るのは早くなるけど


源くんは、多分遠いだろう


ピアスしてるけど、中身は真面目なのな


「んじゃ、言うよー」


「わかりました!」


打ち合わせしてても、良いのだろうか…まあいいか


じゃ、そろそろ言うか


「源くん…君のことが、ずっと、好きでした。初めて会ったときから、ずっと…ね?こんな、めんどくさがり屋でも、付き合って…くれますか?」


私は、ちょっと頬を赤くしながら、こんなくっさいセリフを言った


一応…前に、母の仕事で芸能界に入ったため、演技力はあるほうだ


これなら、怪異も騙されるだろう


「は…」


「源くん」


はい、と答えようとした源くんを遮り、名前を呼んだ


源くん、案外チャラ男なのか?


それとも、演技だと気づかなかったのか?


「い…いえ!差宇部先輩とは、付き合えません!」

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