回数の悪意 ページ19
Aside
私は軽い足取りでエマたちのいる方へ向かっていた。
それは脱出へつながるある仕掛けをするため…！
…なんてたいそうな理由などではなく、
ただギルダ達に結ってもらった髪を見せびらかす為である。
『ねえエマっ！見て見て〜！！』
そう言って私は満面の笑みを浮かべてエマの元へ駆け寄る。
エマ「ん？どうしたの…って！その髪可愛いー！！」
おお、気づいたかエマよ。
『えへへ〜、でしょでしょ！！ギルダとアンナが結ってくれたんだよ〜！』
エマ「いいなぁー！私も結んで欲しいっ！」
こんな感じに私たち二人が話していると、
レイ「その髪の長さじゃ無理だろ、エマ。」
と、近くにいたレイも話に入ってきた。
…相も変わらずつっかかるねえ、レイは。
エマ「そんなの、やってみないとわかんないじゃん！」
おお、いがみ合っていらっしゃる。
今度はどうやって鎮めようか…。
うーん、と悩んでいるとそこに現れたのは
ノーマン「今度はどうしたの？二人とも。」
ノーマンという名の救世主でした。
ノーマンんんんん！
エマ「だってレイが〜！」
そう言って駄々をこねるようにジタバタするエマ。
レイ「俺は本当のことを言っただけだけど？」
一方のレイはヘラッとした態度だ。
…うん。今回はレイが悪いと思う。
何が悪いって、このあおり癖よ。
しかもこの悪そうに上げた口角。
…どこぞの詐欺師かよってくらい悪ーい顔してるわ、この人。
うん、なんかこの顔歪ませてやりたい。
…あっそうだ、からかってやろう。
『ふっ、レイ君〜。そんなにエマにつっかかっちゃって〜。
まあレイのつっかかりは愛情の裏返しだもん、しょうがないよね〜！
…はっ！まさかレイ、エマの事が…？」
と、満面の笑みで一気にまくし立ててやった。
それでね、どんな反応するかなぁってニコニコしながら待ってたんだよ。
そしたら、何て言ったと思う？
レイ「…はぁ、バカ。ほんとにお前って、バカ。」
ってため息混じりに言いやがったんだよ。
うん。
…なんで私が二回もバカって言われなくちゃいけないのさ⁉
確かにレイとかに比べればバカだろうけどさ、
二回も言わなくたっていいじゃん！
回数に悪意を感じたよ、私は。
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紅華 - 面白いです！更新待ってます！ (2020年6月15日 19時) (
レス) id: 7b082dad3b (このIDを非表示/違反報告)
えのきの里(プロフ) - 外すの忘れちゃってました…わざわざ教えていただきありがとうございます！ (2019年3月21日 19時) (レス) id: 5e9c55c38c (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい (2019年3月21日 19時) (レス) id: c596c0896b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えのきの里 | 作成日時：2019年3月21日 19時
