指名手配犯の海賊は魔女だった。 (ページ2)

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わんページ2

『♪Yo ho yo ho a pirates life for me‥‥‥』

船長室に籠ってチョコレートを食べていると、突然外が猿山のように騒がしくなる。

なんだろ、また酒でも飲んでるのかな？

ちょっと外の空気を吸ってくるついでに様子も見てこよう。

『皆、酒ばっか飲んでないで少しは私の呪いを解く方法を考えt‥‥‥』

「A！酒なんてどころじゃない、知らない奴が船にいるんだ！」
「そうそう、酒なんて飲んでない！」

静かになったと思った船員達が、また急に騒ぎだしたんだけど、さすがの私も極東のショートクタイシじゃないから一気に色んな人の話聞けないんだよ。

『まず落ち着いて状況整理をしよう。事が起きる前、君たちは何をしていた？』

「キャプテンの呪いを解くためのヒントを探しに、言われた通りに、島に向かってたんだ。」

言われた通りに、をやけに強調していたのは気付かなかったことにしよう。

『で、何が起きたんだ？』

「気味の悪い肌色で、真っ黒なマントを着た怪しい男が船に乗っていた。」

真っ黒なマントとかダース◯イダーのファンかよ。

あ、そもそも乗り込んで来た目的が私の船にスター・ウォー◯の宣伝することだったり？

『今、そいつはどこにいるのか知ってる？』

「知らない‥‥‥消えたり出て来たりするんだ。」
「お化けかな？」
「怖い、幽霊だったらどうしよう！」

『ちょっと、そいつが幽霊だったら私は何なんだよ。』

何かの呪いで、月光に当たったら骨になるんだけど。

「Aは俺らのキャプテン。でもそいつは知らない人。」

『でも幽霊ではないと思う。他にも色々いるじゃん、そういう部類。超能力師、魔法使い、それかr』

「正解だ。」

私の声を止めたのは、成人男性のものだと思われるアルトボイス。

思わず後ろを振り返ると、そこに立ってたのは、真っ黒なマントとズボンを身につけ、土気色の肌をした男だった。