手品師匠と手品師少年 (ページ26)

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～僕の手品～　　　　twenty five ページ26

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「ねぇ師匠。ずっと僕と一緒にいてくれる？」

これは、僕がまだ、師匠と出会って間もない頃

『勿論。約束するよ』
「本当！？じゃぁじゃぁ！絶対ね！！」

師匠と指切りした、いつかの記憶。

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見覚えのある荒れ野が映った。
テントが見える。崩れた瓦礫の山も。
あぁそうか、ここは、

僕が人間として最後に見た景色。
僕の育った街。

『ベル―――！？』

誰かの呟く声がする。
震えた声が、僕の隣で叫びだす。

「アイビー？」
『ベル！！！嘘だろ・・何で・・』

青ざめた顔であたりを見回すのは、僕の師匠だった。
でも、どんなに話しかけても、全然気づかない。
それどころか、隣に居る師匠に、触れることすらできない。

「聞こえてないの・・？これは、夢！？」
『私が・・あんなことを言ったばかりに・・ベルが・・もっといい考えもあったはずなのに――！！！』
「アイビー・・」

その場に倒れこむ師匠のとなりに、ふいに男が一人現れた

「スリーピー・・アッシュ・・！！」
ク「安心しろよ。多分そいつ死んでねぇぞ。」
『な・・！！本当か！！』

怠惰に向かって、涙目で師匠は叫んだ。
僕の体が、氷のように冷たくなっていく。

ク「サーヴァンプの気配がする。多分、俺と同じような奴に助けてもらったんだろ」
『そうか・・。良かった・・。』
ク「めんどくせー。真面目すぎるだろ・・。助けなきゃよかった」
「――――助けた？―――」

・・やっぱり、師匠は怠惰の下位だったんだね・・。
でも、僕を心配してくれていたことは、凄く嬉しかった。

『でも、それが事実ならベルは、もう次のボスを見つけたわけか。ならば、私は消えたほうが良いな。』
「え！？」
ク「いいのかよ・・約束とちげーぞ」
『約束・・ね。あれの事かな』

耳を塞いでおけば、良かった

『〝ベルの安全を確認できたら、私を壊す〟その約束の事だろう？』
「――――――！！！！！！！！」

僕は声にならない声を上げた
すると視界はみるみる黒い闇と化し、
深い海の底に沈んだ。