手品師匠と手品師少年 (ページ13)

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～僕の手品～ twelve ページ13

僕の手から新聞が滑り落ち、風に飛ばされていった

「アイビーが・・・死んだ？」

僕の脳裏に、今までの思い出が走馬灯のように流れる

昨日まであったものが急になくなる感覚。
昨日まであった師匠との思い出が幻のようになる感覚

「嘘だろ・・・あいつがそんな・・・呆気なく？」

目の前が真っ暗になり、僕はその場に倒れこんだ

ーーーーーー

目が覚めたのは正午頃。
頭がボヤ～っとしていて、何だか気分が悪い

「串刺し芸・・・師匠に見せてないなァ～」

師匠が連れていかれてから、僕は串刺し芸を練習し続け、やっと完璧に出来るようになったのだ

それがつい昨日のこと

「あーあ」

このまま全てが夢で終われば良いのに。
そう思って頬をつねってみた

痛かった。普通に

すると広場の方から大きな声が聞こえてきた
なにやら、お祝いのようなことをしているようで

「気乗りはしないけどなァ～」

このまま暗い気分でいるよりはと
僕は重い足取りで広場に向かってみた

広場に近づいていくとまるで祭りのような騒ぎになっていた

「あんだァ～？何やってんだ？」
[これはあの落ちこぼれがいなくなったお祝いだよ]

近くにいた年寄りが教えてくれた
だが、僕にとっては耳を塞ぎたくなるものばかりだった

[あいつがいなくなって清々したね！静かにに暮らせるようになったよ！]
「違う価値観を持った奴を理不尽に殺したのにか？」

少し興奮ぎみに話す。僕は無意識にシルクハットに手を伸ばす

[時には犠牲も必要だ。まぁ、あいつは初めからイカれていたんだよ。だから、今回の陛下のご決断は正しい・・・]
「もういい。黙れクソジジイ」

僕はシルクハットから剣をだして年寄りに突き刺した
年寄りはなにも言わず倒れ混んだ。

「アイビーから受け取った帽子にこれ仕込んどいて正解だったなァ～」

そう呟きながら僕はふと思ったことがあった

「死に行く前に一つ聞かせろ。決断が正しい理由は他にあるか？」
[・・・陛下は・・・やつはこの世の悪だと言っていた・・・私たちの正義を乱すから・・・]
「悪は早くから無くした方がいいと・・・」

途切れ途切れに話す老人はコクりと頷く
僕は静かにしたを向いて、老人に向かって笑顔でこういいはなった

「くだらねェ～」

そしてもう一度、奴に剣を突き刺した