弐 ページ2
三年も経ったある冬の日の夜のこと。
何者かによって地下牢の固く重い扉が開かれた。
その扉を開いた人物は、三年前産まれて間もない赤子を殺そうとしたあの村人である。
地下牢に閉じ込めて何も与えずに何年か経てば、流石にもうあの赤子も死んでいるだろうと考えていたのだ。
村人は手に持っていた蝋燭で地下牢の奥を照らした。
村人が目を凝らしてじっと奥を見てみるとそこには、微かだがまだ息をして眠っている三歳程の少女の姿があった。
村人は思わず驚きで目を見開いて持っていた蝋燭を地面に落としてしまった。
何も与えずにいたはずの少女がまだ生きていたのだ。
何も与えずにいたはずなのに、あろうことか成長しているのだ
もしかしたらもう死んでいるかもしれない、と希望を抱いてここに来たのに見事に打ち砕かれてしまったのだ。
村人が驚きで放心状態になっていると、少女の目がゆっくりと開いた。
「ヒッ・・・!」
それに気づいた村人は恐怖で悲鳴をあげた。
少女はその悲鳴に反応して音のした方向へ顔を向けた。
そして産まれて初めて見る自分以外の生物に興味があるのか、その村人をじっと見つめる。
それから少女はそっと村人に近づいて行った。
村人は少しずつ近づいてくる少女を見てふと思った。
今この少女には自分が餌に見えているのではないか、と。
その考えに至った村人は急いでその地下牢から出て行った。
鍵を掛けるのも忘れて_____。
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三日月(プロフ) - 舞さん» コメントありがとうございます!この応援を力に変えて更新を頑張ろうと思います!これからもよろしくお願いします!! (2020年10月24日 12時) (レス) id: 651eb0afe0 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 更新頑張ってください^ - ^ (2020年10月17日 2時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三日月 | 作成日時:2020年8月14日 20時