壱 ページ1
ある日の夜。
小さな村で可愛い可愛い赤子が産まれたそうだ。
女の赤子だ。
その娘はとてもきれいな白銀色の髪の色を持ち、右目は美しい赤い赤い紅葉色で、左目はこれまたきれいな藤色の瞳をしていたそう。
しかし、その娘の産まれ方はとても残酷だった。
その小さな小さな体で母親の体を食い破って出てきたのだという。
それを見たある村人は、血塗れの赤子を見たとき底知れぬ恐怖を感じたらしい。
そして村人は、その産まれたばかりの幼き赤子を殺そうと考えた。
村のみんなが危険な状況になる前に、自分が危険な状況になる前に___。
最初は苦しめないように、眠らせてから水に沈めた。
そして赤子が動かなくなったのを確認して、母の亡骸とともに埋めてあげようとした。
しかし埋めようと地面に下ろしたその時、死んだはずのその赤子が元気よく泣き出したのだ。
村人がそれを見た瞬間、さらに恐怖が深まった。
その後、村人はありとあらゆる方法で赤子を殺そうとした。
包丁で心臓を何度も刺してみたり、火炙りにしたり、斧で首を切ったり、高いところから落としてみたり。
______だが、どんな方法を使ってもその赤子を殺すことは出来なかった。
その村人は血塗れの赤子を見ながら、”鬼の子だ”と言った。
”鬼の血を持つ鬼の子だ”と。
そして、何をしても死なないと思った村人は、赤子をとりあえず自宅に連れ帰り、地下牢に閉じ込めた。
誰も襲わないように、重い重い鎖をつけ、食べ物や飲み物を一切与えず、日の光りも届かない真っ暗な地下牢で、幼き赤子がどれだけ大きな泣き声をあげようと、決して地下牢から出されることはなかった。
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三日月(プロフ) - 舞さん» コメントありがとうございます!この応援を力に変えて更新を頑張ろうと思います!これからもよろしくお願いします!! (2020年10月24日 12時) (レス) id: 651eb0afe0 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 更新頑張ってください^ - ^ (2020年10月17日 2時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三日月 | 作成日時:2020年8月14日 20時