【魔法使いの約束】長く生きている魔法使いは、月に呪われ不老不死になりました (ページ15)

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14話:欲望ページ15

スノウ&ホワイト「面白くない！」

アーサー「ヒースクリフ、おまえは大丈夫か？おまえはまだ、〈大いなる厄災〉の傷が、わかっていないのだろう？」

ヒースクリフ「はい…。俺以外には、ファウスト先生とムルがまだわかっていないです」

シノ「その奇妙な傷が見つかったとして、治す方法はあるのか？」

スノウ「探しておる最中じゃ。色々とやることが山積みじゃの」

ホワイト「じゃが、今日の昼に叙任式を行えば、ひとまず、一段落じゃ」

スノウ「白のバルコニーから、広場の民たちに、挨拶するんじゃったのう」

シノ「バルコニーから民衆に挨拶……。格好いいな。ブランシェットの旦那さまみたいだ。もうやりたい」

アーサー「あはは。もう正午には執り行う予定になっている」

A「…(正午近くになったら抜けよ)」

ホワイト「して、賢者よ。何か用事があってここに来たのじゃろ？」

賢者「はい。実は昨晩、墓地で…」

アーサー「…墓荒し…？」

ヒースクリフ「そうなんです。埋葬品は手を付けずに、遺体だけなくなっていて…」

アーサー「接近しすぎた〈大いなる厄災〉の影響を受けた埋葬品や、巨大な鳥の影の話もに気になるな…」

スノウ「はて、巨大な鳥の影…」

ホワイト「聞いたことがあるような、ないような…」

A「鳥の影かぁ…。うーん…知ってる気が…」

アーサー「本当ですか？」

スノウ「うーむ、ここまで出かかっておるんじゃがの」

ホワイト「年をとると若いもののように、ぱぱっと思い出せんのじゃ」

A「屋敷に、本があった気もするけど…それすら忘れたわね…」

シノ「スノウとホワイト、Aが思い出すのを待っていられないな。調査に協力してやる。ただし、恩賞が欲しい」

アーサー「恩賞？」

ヒースクリフ「シノ、控えろ！申し訳ありません、アーサー王子。シノはまだ子供で…」

シノ「世間知らずのお子様はおまえだ。王子様。俺は親なしの、小間使いだ。世間に信用されるものが欲しい」

アーサー「なるほどな…。だが、私から与えることは出来ないよ」

シノ「なぜ？」

アーサー「東の大領主ブランシェット家の家臣に、私が個人的に恩賞を与えれば、外交的にややこしいことになるんだ。だが、東の王家に口添えしてやることは出来る。何か望みがあるのか、シノ」

シノ「将軍付きの騎士か、大臣の側近にしてくれ」

ヒースクリフ「…将軍付きの騎士って…。ブランシェット領から、出ていくつもりなのか…？」