48.仕事の理由 ページ3
「どうして…………」
言葉に詰まる。そんなこと、一度も考えたことなかった。ただ、“戦ってはいけない”から、戦わない仕事を選んだのだ。
あのとき、先生に勧められたのが服飾織物ではなかったとしたら、きっとフローラは別の仕事にしていただろう。
だから、あえてそのまま伝える。
「先生に、勧められたからだよ。ほら、私はやろうと思えば医療以外は出来ちゃうから」
「そっか……なんだかフローラらしいなあ…………でも多分、僕はアクアマリンが月に行ってしまわなかったら、この仕事はしてなかった。きっと、二人で楽しく見回りをしてたんだ」
突然語りだすレッドベリル。彼は元々見回りの仕事をしていたのだ。アクアマリンが月に行った後、この仕事に就いた。
レッドベリルの頭はアイデアの宝庫で、仕事していて退屈しない。見たもの聞いたものをすぐに覚えてしまうフローラにとって、常に新しいものを見られるこの仕事はまさにぴったりと言えた。
「アクアマリンに……会いたいなあ」
「…………私も、弟たちに会いたい。たとえ気づいたとしても、守れない非力な私が悔しいよ」
ふと遠くを見たフローラの目に、さんさんと輝く太陽に照らされきらめく、色鮮やかな光が映る。どうやら、モルガとゴーシェとフォスが手合わせしているようだ。その足元には、カンゴームが寝そべっている。
それに気づいたレッドベリルが、一足先に声をかけた。
「モルガ、ゴーシェ！ 水中探索用コスチューム、届けにきたよ！」
「ありがとう先輩！」
着替えてもらい、全体のバランスを見る。レッドベリルは気に入ったらしく、勢い良く頷くと、華麗にターンして学校へと帰ってしまった。
「あれ、フローラ先輩は戻らないんですか？」
「うん、ちょっとフォスに聞きたいことがあって」
「……聞きたいこと？ フォス先輩に？」
フローラは、大きく頷いて、そしてにっこりと笑った。
お知らせ………(8/12更新)→←47.水中探索用コスチューム
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ベルモット - 画像見ました。主人公の絵が上手でした。物語も引き込まれてました。 (2019年5月19日 21時) (
レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
硝子玉(プロフ) - 読んでいて引き込まれる、大好きな小説です！九巻発売と一緒に楽しみに待っています！応援してます^ ^ (2018年3月12日 15時) (レス) id: ba71ee58a2 (このIDを非表示/違反報告)
蛸薬師 - 受験頑張ってください！フローラが凄く格好いいし、不思議な雰囲気漂わせていてすごい好きです！更新頑張ってください！ (2018年2月27日 1時) (レス) id: d49f23a87b (このIDを非表示/違反報告)
佰 - いつも読んでいます。すごく面白いです！私も受験生なので、お互い頑張りましょう！ (2018年1月15日 19時) (レス) id: 9f885e3981 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チビまい | 作成日時：2017年12月28日 14時
