47.水中探索用コスチューム ページ2
「水中探索用コスチューム？」
「そう！ モルガとゴーシェがフォスの髪を海の中で探したいって言ってたから!」
「それって作りたいだけじゃ……」
「なあに？」
「いえなにも」
翌日の朝、フローラは仕事部屋にいた。レッドベリルに呼び出されたのである。
しかし、服の予備は大量にあるのだから、わざわざ水中探索用コスチュームなんて滅多に使わないもの、作っても意味ないのではないだろうか。
「すぐ作れるよ！ 僕はともかくフローラでも10分はかからない」
「い、嫌な言い方だなあ……」
「そんなことなァい。ほらこれデザイン案」
確かに、それはとても簡易的な形をしているため、作るのに10分はかからないだろう。
しかし、どうして後輩たちは仕事に就くとすぐにフローラを追い越してしまうのだろうか。ラピスからは、「フローラは器用貧乏だから」と言われたが、はたしてそれは慰めなのか馬鹿にしているのか……
結局、フローラでは縫うのに時間がかかる、ということで、縫う係はレッドベリル、布を切る係がフローラになった。
「完成したらさ、私が二人に届けてもいい？」
「うーん、バランスを見たいから僕もいくよ。これ、二人には絶対似合うと思うんだ！」
こうして会話をしている間にも、レッドベリルの手によってコスチュームは完成していく。
やがて、作り始めてから五分もせずにコスチュームは二つとも完成してしまった。
「速い……まだ五分も経ってない！」
「ふふん、フローラにはできない技ね」
「くっ、そういうこと言いやがって……！」
少しの沈黙のあと笑い出す。こういう茶番も楽しいものだ。弟はあまりこういうのは好まなかったから、新鮮な気分になる。
「じゃあ届けに行こうよ。海岸に居るんだっけ？」
「うん。今朝、フォスと一緒に行くのを見たよ」
それじゃあ出発！ というレッドベリルの明るい掛け声とともに歩き出す。こんな天気のいい日は、のんびり行ったほうが良さそうだ。
そして、海岸まで残り半分ほどの距離になったとき、
「フローラ、聞きたいことがあるんだけど」
「なあに？」
レッドベリルは、いつもより低めの調子で訪ねた。
「……フローラは、どうしてこの仕事にしたの？」
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ベルモット - 画像見ました。主人公の絵が上手でした。物語も引き込まれてました。 (2019年5月19日 21時) (
レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
硝子玉(プロフ) - 読んでいて引き込まれる、大好きな小説です！九巻発売と一緒に楽しみに待っています！応援してます^ ^ (2018年3月12日 15時) (レス) id: ba71ee58a2 (このIDを非表示/違反報告)
蛸薬師 - 受験頑張ってください！フローラが凄く格好いいし、不思議な雰囲気漂わせていてすごい好きです！更新頑張ってください！ (2018年2月27日 1時) (レス) id: d49f23a87b (このIDを非表示/違反報告)
佰 - いつも読んでいます。すごく面白いです！私も受験生なので、お互い頑張りましょう！ (2018年1月15日 19時) (レス) id: 9f885e3981 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チビまい | 作成日時：2017年12月28日 14時
