馴染まぬ関係 1 ページ21
「味覚を変えることが出来るんです」
信じてもらえるだろうか。
「と言っても、自分の味覚だけなんですけどね」
夏油さんは驚いた顔をしていた。
私はそれがどいう意味なのか分からず、戸惑う。
「それは、呪力を直接食べ物にぶつけることによる……いやそれとも、舌に呪力を込めることによって」
ブツブツと何か言い出す。
どうやら信じてくれたらしく、思ったよりも私の能力に食いついてくれた。
「んー、感覚でやってるので、どうなんでしょう」
味覚を変える力など、基本なんの役にもたたないものなのに、夏油さんはひたすら考えていた。
もしかして、めっちゃ凄いことだったりするのかな？
「とりあえず、君のすることが決まったよ」
考えてもらちがあかなかったようで、夏油さんは私の両手を握ると
「修行さ」
と、軽く言った。
ほうほう、修行……修行！？
「Aはまだ呪術使いとして未成熟にある。お坊さんも修行をするだろう？それと同じで、呪力の扱いを感覚的なものから、意図的なものへと変えていくのさ。それが出来ればきっとAのその能力は、幅が広がっていく」
「た、例えば？」
「例えば、自分以外のものの味覚を変えることが出来たり、食べ物そのものの味を変えることが出来るかもしれない」
「それが役に立つんですか？」
「うん。それについてはまた今度説明するよ」
夏油さんはギリギリまではぐらかす所がある。
まるで何かためらっているような感じだ。
お寺まで戻る道中、夏油さんは今後の方針を話してくれた。修行は基本、夏油と美々子ちゃん菜々子ちゃん、そしてまだ会っていないミゲル、ラルゥさんという方が相手をしてくれるらしい。
「今、仕事はしてるのかな？」
「バイトをしてます。昔からお世話になってる所で、正社員になるか悩んでるところです」
「そっか。もしAが望むなら、仕事も辞めていいんだよ。私達がAの生活を保証するからね」
「え！？」
どうしてそこまでしてくれるんだ。『家族』という関係ならおかしくないのかもしれないけど、正直まだ知り合ったばかりの仲だ。
衣食住を揃えてくれるばかりか、お金だって払わなくていいだなんて。そんなにしてくてくれる理由なんてないのに。
「さすがにそれは……」
「やっぱりそう言うよね。じゃあ、1つお願いを叶えてくれるかな？」
それならまだいいかもしれない。
「なんですか？」
「私と"恋人のふり"をして欲しいんだ」
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食べられた?(プロフ) - あ ま ね 。さん» 初めまして〜！ありがとうございます。嬉しいです(*^^*)パパ黒良いですね。私もそう呼ぼうと思います☆ (2021年2月2日 14時) (
レス) id: 5628ab8247 (このIDを非表示/違反報告)
あ ま ね 。(プロフ) - はじめまして！！挿絵素敵すぎます(>_<)私は甚爾さんのことパパ黒って呼んでます~! 更新楽しみにしてます！ (2021年2月1日 11時) (レス) id: 36c644cd03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：食べられた? | 作成日時：2021年1月27日 17時
