残念ながら凡人でした 【銀魂】【沖田総悟】

番外篇 甘えたい ページ48

［二人が付き合ったら？というお話です］








「仕方ねェから抱きしめられてやりまさァ」


えっ…何故。どうして上から目線？
帰ってきて早々に一言目がそれだった。
酔ってる？と聞いたが、どうやら今日は本当に酔ってなさそうだ。
私が座ってると、近寄ってきて結局向こうから抱きしめてくる。可愛い……
付き合うようになって時々甘えてくれるようになった。それで、頭撫でてなんて言ってくるんだから、私の精神は崩壊してしまいそうだよ。



「よしよし。大丈夫だよーまだハゲてないよ」

「土方この野郎が、いじめてくるんでさァ」


え…どっちかというといじめてんのお前じゃね？
でも、潤んだ瞳で見つめられたらおしまいだ。
知ってるから。甘えてくれる時は大抵何かあった時。自分じゃ気付かないのかもしれないけど、きっとそれが彼の癖。
それに、極度のSだからかなり打たれ弱い人だし。


「何かあった？」

「あ？何もねェよ」

「嘘。いつもいつも寂しくなるくらいに、甘えてくれないのが総悟でしょ？」



弱りきる時はとことん弱りきる人だから。
いつもは強気なのが嘘みたい。張りつめてた意識が一気に崩れるからなのかな。
そして、こういう時は必ず表情を見られないようにか顔を胸板に押し付けられる。



「だって……お前本当は俺のこと嫌いなんだろ？」


「え……何それ…誰に聞いたの？」


「旦那」



…もしかして…くっそ。あの髪も脳みそもくるくるパーマの野郎！！
確かに、最近甘えてくれないどころかろくに会話も出来ないとは言ったけど…何ぬかしやがった全く。



「私は他の人じゃなくて、本人に好きも嫌いもちゃんと伝えてるつもりなんだけど…」

「じゃあ言ってくだせェ」

「え……その…あの…私…好き…だよ？
いつも言えないけど、本当に好きだから」

「ふーん？そうなんだ。好きなんだ俺のこと。
……旦那も甘いな。あんなので引っかかると思ってんのか。はい、これ。ばら撒かれたくなかったらどうするのか分かってるよな、A」

「え…ちょっ総悟さん！？」



いきなり見せた、腹黒い顔。可愛さの欠片もない。
手に持っているのはボイスレコーダー。あんなのがばら撒かれたら、真選組の良いからかわれ者だよ…
どうするってどうするん？



「おい。いいんだぜ？なら私は、お前のよだれ垂らして寝てる写真ばら巻くだけだから」



とりあえず脅迫してみました。
他にも色々ある。酔っ払って赤くなってる写真とか、枕抱きしめて寝てる写真とか。

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