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弐陸 呼んでみたかった ページ27

帰るぞと言われ、手首を掴まれる。
でも全く痛くない。


「総悟さん……」

「何でィ」

「……呼んでみたかっただけです」


そう言うと沖田さんはそっぽ向いてしまう。
きっと眠いはずなのに、迎えに来てくれたんだ。



「A」

「……へ…………」

「あははは!顔真っ赤でさァ。さてはお前ィ彼氏いたことねェだろィ」


ちょっと、RADYにそれはないでしょ…


「そんなんじゃモテませんよ?」

「あーいいよ。雌豚なんて眼中にねぇから」

「毒舌とドSを取れば、モテるのに。多分」

「俺からその二つ取ったら、もうそれは俺じゃないんでさァ。多分」


確かに……多分ね


「Aさぁ、そんなに真選組に礼したいんなら俺の小姓にならねぇか?先月、俺の小姓だったやつがやめたんでィ。そうすれば、お前は俺の犬…じゃない真選組の役に立てまさァ」


コショウ?えっ…何、調味料?


「言っとくけど片仮名でコショウじゃねぇからな」

「わ…分かってましたよ!!」

「嘘でィ」

「う、嘘じゃないでィ!!」






でも……私は…




「総悟さん。気持ちは嬉しいけど……私、いついなくなるかも分からない不安定な存在なので…
他の誰かに頼んだ方がいいと。ごめんなさい」



「……そうか」








また歩き出す。さっきと違うのは、私と開いていく距離。目頭がじんと熱くなるのを感じる。
寂しい。本当は………帰りたくなんて、ない。
知らなきゃ良かったなんて。
優しさも、温かさも…………みんな全部。
もう、きっと顔は真っ赤だ。
立ち止まって目を擦れば、視界が急に真っ暗になる
優しく…優しく抱きしめられている。
すると不意に耳元で小さなとても小さな声がした。





「……帰るな。側に…」





知りたくなかった。ううん、誤魔化してた。叶わない願いだから。
でも……もう無理だよ。この人がいい。
不器用な優しさで溢れているこの世でたった一人。
会うたびに、話すたびに気持ちは増していった。
そして気付いた。





これが……きっと、“恋”なんだと。

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設定タグ:銀魂 , 真選組 , 沖田総悟   
作品ジャンル:恋愛
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千の歌を歌う人(プロフ) - コロさん» 有難きお言葉です!!すごく嬉しいです!頑張ります!! (2019年7月30日 0時) (レス) id: 1dfb43aa3f (このIDを非表示/違反報告)
コロ - おもしろいです!!更新忙しいかもしれないけど頑張って下さいね!! (2019年7月29日 22時) (レス) id: 21d6130453 (このIDを非表示/違反報告)
千の歌を歌う人(プロフ) - サラダ油さん» ぱっちゃんはですね、主人公が付けたあだ名です!主人公は色んなあだ名を人に付けるもので…見てくれて、物凄く嬉しい限りです!!頑張ります! (2019年7月29日 20時) (レス) id: 1dfb43aa3f (このIDを非表示/違反報告)
サラダ油 - 新八は「ぱっちゃん」じゃなくて「ぱっつぁん」と呼ばれてますよ。面白いのでこれからも頑張って下さい! (2019年7月29日 18時) (レス) id: 3eb4c4dfa2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くれの | 作成日時:2019年7月24日 22時

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