【文スト】旧双黒の色々な愛、受け取ってみませんか？【短編集】

逆壁ドン。【中也】 ページ8

Aside


『……中也さん。』

｢何だよ。｣

『これは、拷問か何かですか…』

｢ンなわけねェだろ。｣

『じゃあ何なんですか。』

｢仕事だよ、見りゃわかンだろーが。｣

『この山積みになった仕事を全てやれと？』

｢幹部命令だ。｣

『職権乱用すんなよ、低身長。』

｢あァ？手前、もう1回云ってみろや。｣

『さーせんしたー(棒)』

｢巫山戯てンのか。｣

『巫山戯てないですよーだ！
話を戻しますけど、この大量の仕事、
手伝ってくれたっていいんじゃないですか？』

朝、ではないな。
午前10時、出勤した私は机を覆うパソコンと大量の書類を前に立ち、愚痴を零していた。

｢その資料、
この間の抗争について纏めろだとよ。｣

その近くには見下した目で見る、チビ上司。
壁に寄りかかってこっちを見るもんだから
ウザいったらありゃしない。
もっと身長縮んでしまえ。

｢手前、今失礼な事考えたな？｣

『ナンノコトカナー…』

｢ほら、早くやれよ。手前なら出来るだろ。｣

『中也さんも手伝ってくださいよ！
それとも私の苦痛の表情を見たいとでも？』

｢ほぉ、そりゃァいいな。
手前の弱みを握れる。｣

『なんて上司だ、この野郎！
一発、拳食らわせてやらァ！』

そう云って中也さんの方に歩き出した。
其の瞬間、パソコンのコードに引っかかって
前に倒れそうになってしまった。
倒れそうになるのだから前の壁に手をつく。
勿論、そこには中也さん。

数秒間、頭が状況に追いつかなかった。
……はっ！
これは所謂、逆壁ドンというやつだ！

『あ…///ご、ごめんなさい…！』

｢………急にどうしたンだよ…｣

『わっ、悪気は無かったんですよ！
でも、私より小さいですかね、中也さんは。
なんか、こうして見ると可愛いや。』

｢喧嘩売ってンのか………それとな、A。
オトコに可愛いは禁句なんだぜ？
それを云うって事はどうなるか分かってんだろうなァ？｣

くるっと変わる立場。
今は中也さんが私に覆い被さっている。

｢お返しだ。｣

『ふぁっ？！！いや、あのですね！
お返しは要らないですよ？！』

｢じゃあお仕置きだけにしとくか。｣

『何するつもりですか！』

｢2度と可愛いなンて云えないようにしてやる｣

怪しい微笑みを浮かべて鎖骨を指でなぞられる。

『ひゃぁっ…擽ったい…やめてやめて！』

｢唆るじゃねェか…｣

『もうやだ此奴！』

その日、ポートマフィアには
泣き声、叫び声などが1日中響いたのだとか。

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