落ちると、死ぬ （ yb hk ）

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英語から一旦離れて、光は数学をするらしい

俺も、同じく数学に切り替えて黙々と…ではないけど勉学に励む


その途中、書き手を止めず、

いつものような他愛のない話をするかのように、


俺、親がいないんだよね


と、呟いた


宏「…え？」


光「だから、お母さんがいるって嬉しくて…

なんだか薮のお母さんがお母さんみたいで……

暖かくて…なんだか言葉に表せられないけど

…ありがとう薮、

俺、薮に出逢えなきゃ、こんなこと知らなかった」


宏「俺も…光に出会えて良かった

でも、俺まだ光のこと何も知らない

ちゃんと、光のこと色々知りたい」


光「…いいよ」


やっとシャーペンを止めて、きちんと俺の方を向いて話をしだした

それは俺が思っていた何倍も辛く、悲しい話で


俺の祖母の住む宮城で、光は産まれたこと

そこからずっと一人で、施設に入ったこと

施設でも高校でもあまり人と馴染めなくて、

思い切って高校2年を終業と同時に上京したこと


…そこで、俺に出会ったこと


宏「そんなことが…」


光「俺は人と話すのがとても苦手だから…

だから、薮に会えて…よかった」


宏「俺も、話すのは苦手だよ？

人と話すのって勇気がいることで…

でもあんまり考えすぎないようにしたら

自然と克服できたんだ」


光「もっと…」


宏「…ん？」


光「もっと薮の話聞きたい…！」


宏「別に楽しくないよ…？」


光「俺の話だって楽しくなかったもん」


宏「ん〜…じゃあ〜……」


なんて自分たちの昔話をしていたら

その日は夜更かしする結果となった

まあ明日は休日だからいいんだけどね

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