. 燈火 2 (ページ21)

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「薮、…ちょっと休んだら？子ども俺が見てるよ？」

帰宅前から幾分も悩んで吐いた言葉も

「いや、さっき帰ってきたばっかで光も疲れてるだろ？」

彼の優しさで泡となり消えてしまう

薮は優しい

周りのことをよく見て、自分のことは後回しにする性分で、何度俺は彼の言葉に助けられてきたか分からない

だから、今度は俺の言葉で彼を楽にしてあげたいのに

彼は目の下にくっきりと隈を浮かばせながら、いいよいいよと断るのだ

" 俺が子どもを埋める体だったら… "
" もっと薮を安心させてあげられたら… "

先生には誰のせいでもないと言われたが、タラレバが思考回路を支配した

今更どうすることもできないタラレバを抱えて、
結局何もできない自分に苛ついて…

自分も憔悴しきって…
大きな傷を抱えた彼にまた声を掛けられて、彼がどんどんと限界へと近づいていく

結局それでは意味がないってわかってるはずなのに

どうすればよいのか分からず、思考の中を彷徨った
彼にとって、一番の心の薬って何なのだろう…

" 友人、家族、1人の時間… "

それでも、それでも…
彼がこれ以上壊れてしまわないように…
子どもと薮を守る為に、…

俺がしっかりしなきゃっ、！

「……ね、薮」