. 燈火 2 (ページ13)

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ありがとうと御礼を述べて歩く道
あの日、たまたま友達と飲んだ帰りだったという髙木は、近道である細い道を抜けようとしているときに見つけたと聞かされた
あの日、あそこにいたなんて本当に偶然だという話も…

「髙木の家からならそこまでの距離だよね」

「そうだね、家から近いしね〜」

そこから静寂が流れる
その時間は普通の時間より重く、長く感じた
まるで大きな十字架を背負ってるようで、
その十字架を下ろす為にすることはしろ…と、光に言われているような

「ごめん」

「にしてもさ、…髙木と裕翔には驚かされたなあ〜…」

「ひかる、、？」

「だって…、だっ、てさ…ぜんぜっん…そんな…」

俺の言葉を遮って無理やり話しこもうとする彼の目には大粒の涙が溜まっていて、でも明るい話をしようと必死だった
彼は優しいから、俺の十字架を下ろさせようとしているのでなく、自分がすべてを背負うつもりだったんだ

「ひかる！！！」

「あの…ねっ、薮の気持ちがっ、わっかるのに…その気持っちに…ついてけない自分が…嫌いで…っ
自分のせいでっ、薮は…」

「俺は何度も言ってるだろ？お前のせいじゃないって…」

「でも、っ、聞いても…思っちゃうの…っ
俺とっ一緒にっならなっかったらっ…薮はっ…こんな事しなかったのにって！！！」

「もう俺は光以外あり得ねぇんだよ…
今更そんなこと言うなよ、俺は世界で一番…お前が好きなんだよ」

「ごめんっ…こんな奴でごめんっ…」

必死で俺に謝る光を宥めさせて、光の罪悪感を拭ってやる
一生光の背負うことのない十字架はずっと光にまとわりつくのだろうか

「俺が…っ泣いてどうすんだよな…ごめんね」

そんな事…ない、そう言いたいのに、俺の知っている言葉のボキャブラリーでは伝えられなくて…黙って抱きしめることしかできなかった
俺がモヤモヤと悩むときでさえも、お腹大きくなったね…と俺を安心させようと必死なひかる

自分のことは後回しで他人思い
いい意味でも悪い意味でも…だからひかるは…っ

俺は、俺は……、