~ C a r n a t i o n . ~ (ページ35)

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彼は、手を合わせていた

「ひかる」

「薮くん…どうして、？」

どうしたらいいか分からなかった
この場に踏み入れたらいけない気すらして

でも、彼が覚悟をたくさん見せてくれた分、

俺も彼の気持ちを全力で返したい

「これ…」

オレンジや緑、青、そして白…4つのカーネーションを3本ずつにまとめたブーケだ

「オレンジは純粋な愛
緑は純粋な愛情
青は永遠の幸福
白は私の愛は生きています…

本数にもね、意味があるんだって」

「ずっと、ひかるから逃げてた

ごめん、ひかるは前に進もうとしてるのに、俺はいつも弱気で…ひかるのその気持ちを後ずさりして無かったことにして…

去年、ひかるが伝えてくれたその気持ちがまだあるなら…

これを受け取ってください」

下を向いてて分からないけど、彼が啜り泣く声が聞こえる
それが何を意味する涙なのか…

「同じ夢を見たっ…

お母さんがっ…いて…、薮くん…がっ俺にブーケを差し出すの…
" 12本は恋人になってください " って意味なんだって…」

彼の見た夢は、正夢となったようで
ブーケを持つ彼の顔は、涙や鼻水やらでぐっしゃぐしゃだった

「ありがとう…っ、薮くん…」

「それはこっちの台詞」

祖母の持ったそれは、彼を示す一番のサインだった

「ばあちゃん助けてくれたでしょ…？」

肩がぴくっと反応した
…図星だ

「ばあちゃんに会いに行こう、ひかるが来たら、喜ぶよ」

「うん…っ」