~ C a r n a t i o n . ~ (ページ33)

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カフェテリア

今日はたまたま午後は休みで

彼からの連絡で、こんな俺は絶対こないような店で彼を待っているわけだ

いらっしゃいませという店員の声にそちらを向くと、キョロキョロと辺りを見回す彼
右手を上げるとこちらへとパタパタと掛けてきた

「お、っお待たせ！！！」

今日の彼は眼鏡を掛けていて、
ダボッとしたパーカーを着ている

「中々絵が完成しなくてさ…」

「いいよいいよ、で…話って？」

「ん〜、えっとさ…っ」

彼からの連絡の内容は、" 話したいことがある "

その話をしようとしても、さっ…と話を逸らしてお待たせしましたと運ばれてきた甘ったるそうなカフェモカを啜っている

「んぇっとね…っ、俺さっ…」

" 薮くんの事好きなのかも "

「………、え？」

「ごっっ、ごめんっ

…でもね、なんかっ、薮くんの事ばっか考えちゃって…っ

薮くんの事で頭ねっ、いっぱいになっちゃうの、…

夢の中に出てきたこともあって…っ」

モジモジと照れ臭そうな…恥ずかしそうな顔をして
それでも少し混乱してるようで
何がなんだか自分では分かっていないようだ

「お友達が…言ってて……」

「友達に言われて、そう思っただけじゃない？」

自分でも馬鹿だなと思ってる

彼を傷付けているって分かってるのに

もっと違うこと言わなきゃいけないって分かっているのに

彼に後悔はしてほしくない…
彼にこれ以上辛い思いはしてほしくない…

彼の覚悟を背負うことのできなかった俺には…
彼の精一杯の覚悟を崩すことしかできなくて

彼の一番を考えているうちにも、自分の口から酷い話ばかり

「そう…かも、、」

「ごめんね、っ薮くん変な話しちゃった…」

「う、うん…っ」

そのまま俺は、あるはずない用事を思い出したとか何とか言って、その場を後にした

また、彼の覚悟を無駄にしたとも知らずに…