俺 と こーた

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「オーラス終了、お疲れ様でした！！！」


「ありがとうございました！！！」


コンサートオーラス、無事終えた

大きな歓声と拍手に包まれ舞台から去っていく
いつもこの時は達成感も勿論なのだが、少し寂しい気持ちにもなる

毎公演メンバーや数多くのスタッフさんとの関わりがあって成し遂げることのできたコンサートが終わってしまうことが少し寂しい


今回は特に…


薮と一緒に曲を歌い、踊り、弾くことはこのコンサートが最初で最後だろうなあ〜と


シャワールームの中、温水を浴びながらふとそんな事を思う


「光、？」


「ふぇっ、な、なに、？」


いつの間にか壁を隔てて同じくシャワーを浴びる彼に気付くことができなかった


「……、今日家で飲まない？」


「…いいよ」


「ならよかった」


そこからは室内に温水が重力にしたがって床に叩き付けてる音しか聞こえなくて、

いや、いつも以上に高鳴る俺の心臓の音も……


その音はシャワーの音に隠れて聞こえてないと嬉しいんだけど



「光〜、」


風呂上りの俺を更衣室で待っていたのは伊野ちゃん
薮はまだ帰ってきそうにない


「…今、幸せ？」


フッと何故か生暖かい桜の匂いがした気がした


「…幸せだよ？」


「それならよかった」


彼の笑顔は、それはそれは綺麗だった

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