俺 と こーた

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「気が利き過ぎだし、俺の嫁にほしいくらい

ほんと助かるわ、ありがとう」


「う、ん……っつーか、そ、そんな事より早く決めちまおうぜ」


俺が木目調の椅子と机に座ると、
薮もソファから移動し、俺の対面に座って頬杖を付く


「ん〜、俺、前の時みたいに歌詞考えて合体させたいな」


「それいいね〜賛成、テーマは？」


「俺達…出会ってもう15年以上？…かな、

俺達の歌詞、書いてみない？」


「それ面白いの？ファンの人」


「遠回しに書けばいいじゃん」


「確かにそれはアリかもな

じゃあしっとり系？」


「でも、俺光とガッツリ踊りてぇな…」


「欲張りだな」


「コロコロ転調する歌とか？」


「そこまで行くと俺も手ぇ付けらんねぇから、作曲家さんに頼まないと」


「だよなあ…」


「……でも、俺達だけで感じだけでも作りたいなぁ〜って…」


「同感」


「俺、できるとこまでやってみるよ」


「無理なら作曲家さんと相談しよう」


「おうよ」


先程までとは打って変わって構成がバンバンと浮かんで、
抽象的だったものから一気に現実味を帯びて、自分たちの思案を相手と繋ぎ合わせていく

パズルのピースをはめていくよう


「歌詞に入れたいもんまあパパっと入れてくか」


「そうだね」


紙とペンを持って、思い付いた単語をつらつらと箇条書きにして並べていく


「なんだかこういう時にパッと思いつかないんだよなあ、俺」


「家でやれば良くない？」


「だって、一人寂しい部屋でこういう類の詞とか思い付く気しねぇから」


「まあそれも一理あるけど…」


暫く時間が経ち、いくつかの候補を見せ合う

意外にも被ったものがちらほら


「これいい！」


「だろ？俺の頭さっきよく稼働してくれた！

でも光のこの単語好きだわ、どっか入れたい」


「俺もこれは入れたいな〜って」


「なんか擬人化みたいだね」


「ん〜、俺遠回しにって言ったら擬人化とかじゃないと思いつかなくて…」


「でもいいんじゃない？凄い面白そう」


「じゃあそれも掛け合わせて、また言葉浮かんだら入れていく形でいい？」


「うん、いいよ」


「じゃあ…迷惑なるし帰るよ」


「いいじゃん、夜までゆっくりしてけよ」


「え、でも、…」


「なんか予定？」


「いやっ、な…いけど……」


「じゃあ居てよ」


「でも、俺締切間近だし…曲書かないと…」


昨日裕翔に加えて山田にも催促されたそれは

ギリギリにまで締切が迫っていることを暗示していた

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