俺とこーた (ページ3)

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「おはよぉ、朝だよ！」

ひとり暮らしの室内に似つかわしくない声で目が覚ます、

「…ぇ」

「僕、こーた！っよろしく！」

約20センチ程の彼が机の上に乗り、俺の手や足をバシバシと叩いている

「いや、痛ぇよ」

「光！」

薮…？

顔は薮そのもので、薮を小さくしてそのまま置いた感じ

だが…そんなこと現実ではありうるはずが無い

俺はどちらかというとこういう類は信じない…
というか薮の顔で喋るミニマスコットなんて…

「夢、？」

「夢じゃない！」

と言いながら華麗に俺の肩に乗ると、ほっぺを抓ってくる

「いでででで…！分かった！分かったからっ」

「光！そろそろ準備しなくていいの？」

「…ぇ、あ！やばい！！あと10分じゃん！！！」

野菜や果物を切ってミキサーの中にぶち込んで回す

その間に服を着替えて、顔を洗って口を濯ぐ

ミキサーを止めてコップに移して飲み干すと、

鞄の中身をもう一度確認…よし！

「今日は何だったっけ…って、あれ？」

「今日は、もしかして昼からだった？」

「まじ何してんだよアホ！」

「光ってばそういうとこあるから」

「うるせぇ、消えろ消えろ」

「僕が現れたのは、光が望んでたからなんだよ？

なのに消えろなんて酷いこと言うんだ！もういいよ！消えちゃうよ！」

と言って小さい煙を上げて消えた薮

「……、消えるの？」

その言葉が室内をこだまして消え、そのままスケジュール帳を閉じ、携帯を触る

「ブログ…書こうかな」

そう思ってソファに横になると、また小さい煙を上げて、俺の腹の上に薮が現れた

「光！…俺のこと好きなんでしょ？」

「…何言ってんの」

「だから俺は呼ばれたんだよここにぃ」

「意味が分からん」

「んっとね！」

ちび薮が言うには、自分がここに来た理由は俺であると…

それも、俺が薮のことが好きとか何とかってことでらしいが…

「いつ消えるんだ」

「光のその悩みが消えたとき…だっけ？

俺もあんま詳しく分かってないっ！」

「本人がそんなんで大丈夫かよ」

「いいのいいの、！光…」

「…なんだよ」

「だから、大人の薮に告りなさい！」

「……は、？」