出会い6 ページ6
その合図とともに俺は全速力でキリトとの間合いを詰める。
もうもはや観客などあってないようなものだ。
声も聞こえないし姿も見えない。
カーーン!
剣と剣のぶつかる音がした。
しかし、押したのは俺の剣の方だった。
キリトは後ろに押され、倒れそうになりつつ数メートル後退した。
そのチャンスを見逃す俺ではない。
すぐさま『ヴォーパルストライク』を繰り出すが、これはキリトの即座な対応により、弾かれた。
すると、キリトは、連続技、バーチャルスクエアを繰り出してきた。
Vの字型の軌道を綺麗描く…
かと思われたがもちろん阻止して、反撃に出るが、これも弾かれた。
かなりのデッドヒートを繰り広げているように見えただろう。このような弾いて攻めて弾かれて攻められて弾いてせめて……を何回、いや、何十回も繰り返していた。
しかし、このような均衡も崩れ去る時が来るのだ。
俺が、決死の覚悟で放ったシャープネイルが、全部弾かれる上にかなり後ろに後退させられたのだ。
そのため、約4秒の硬直時間が課せられる…はずだった。
しかし実際に硬直したのは2秒にも満たない時間だった。
これはスキル『片手剣連続技』のためだ。
しかしこれをキリトは知らない。
だから、キリトは、勝ちを確信して、スラントを放った。
しかし、そこまで読んだ上での『シャープネイル』だった。
俺はスラントの剣の下面に入射角10度くらいなるように同じ技、スラントを放った。
すると、キリトの剣は上に流れて、やがて地面に刺さった。
この時は完全な硬直時間が課された。
そのため、俺は背中を斬った。
ソードスキルでもなんでもない。
ただの斬撃だった。
しかし、試合を終わらせるには十分な斬撃だった。
試合が終わった。
約40分の死闘。
その末に俺は勝ったのだった。
***
デュエルが終わり、俺はキリトに挨拶に行こうと思った。
まぁ、フレンド登録してもらいがてら。
予想通りキリトはそんな遠いところにはいなかった。
俺のことを笑顔で待っていた。
そして俺がつくやいなや、
「昨日は悪かったな。疑っちゃって。」
と、詫びてきた。だから、
『しょうがないよ。レッドだからね』
と、言っておいた。
するとそそくさと作業を始め、フレンド申請が送られてきた。
俺は無言で承知する。
すると、いつからいたのかは知らないが、隣からアスナが聞いてきた。
「ところでさ、なんであの時硬直時間が短かったの?」
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カクテル(プロフ) - Gumiさん» ありがとうございます。今度読んでみます! (2016年6月22日 19時) (レス) id: 0ebe9ce2cd (このIDを非表示/違反報告)
Gumi(プロフ) - すごく面白いです!更新頑張ってください!あと私も小説を書いているのでよければ読んでみてくださいね (2016年6月22日 7時) (レス) id: 49dd592575 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カクテル | 作成日時:2016年6月12日 22時