V6の日常 3

隠し事 ページ33

ー貴方side


お店を出てすぐ
近くにいたタクシーを止めて乗り込む


少し怪しすぎたかな…
でも健くんと一緒に帰ってバレるよりいっか



問題はこのあとだ

まっすぐ家に帰れば絶対やばい
なんとなくまだ帰っちゃ行けない気がする


……健くんが気づかなければ
さっさと酔ってみんなといれたのに。



貴｢健くんのバカ、アホ。｣ﾎﾞｿﾂ



タクシーの中で呟く

こんな事ならみんなに話せばよかったのかな


自分でなんとかしなきゃと
頭で分かってはいても

やっぱり怖いものは怖い



相手の体格も年齢もわからないからこそ余計だ



そうだ、マネージャーの家行こう！

我ながらいいアイデア


そうと決まれば連絡しよう。

ケータイケータイ………



｢あれ？｣

『お客さんどうしました？』

｢あ、なんでもないです｣



ケータイ忘れた

やっちゃった…
みんなのところだよね

今更戻るの…？
でも戻らないことにはどうにもならない


幸いタクシーはそんなにお店から離れていない



｢あのっ、すいません
ちょっとここで待っててもらえますか？｣

『いいですけど、忘れ物ですか？』

｢すぐ戻るんで！｣



バタン、とタクシーから降りて
店の方へと歩き出す

あ、やっぱりちょっと遠かったかな…

でも大丈夫、と言った手前
なんとなく戻りづらくそのまま歩く



………

カツッ、カツッ

ズザッ、ズザッ


自分のヒールの音の後に
スニーカーを引きずるような音が聞こえる

まさか、ね……

後ろを振り返らず
そのまま歩調を早める


するとスニーカーの音も早くなる



｢………っ｣



耐えきれず少し走ろうとした時

ポン、と肩に手が置かれた



『待ってたよ
なんで家に帰ってきてくれないの？』



少しくぐもった声

後ろを振り向かなくても
例のストーカーだとすぐにわかった



『こっち向いてよ』

｢………｣



恐る恐る振り返ろうとすると
突然視界が真っ暗になる



｢やだっ……！なに！？｣



耐えきれず声を上げると
聞こえてきたのは予想外の声だった



｢A、大丈夫。俺だよ｣



この声は…



｢健くん…？｣

健｢そう、怖かったね
ごめんね、気づくの遅くて…｣



そう言ってぎゅっと抱きしめてくれる

健くんに抱きつきながら
後ろを見るとそこにはみんなもいて。


ただただ目の前にある
たくましい背中に抱きつくしか出来なかった

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