AAAの末っ子

喉 ページ10

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｢〜♪｣




詰まっていた仕事も終わり
久しぶりに早めに帰れる今日


えー俺も帰りたいねんけど笑、と
羨ましそうな真ちゃんに別れを告げ
鼻歌を歌いながら廊下を歩く



｢you never change〜♪
it's been so…っ、うわっ、！｣




鼻歌では収まらず
ついには口ずさみ始めた瞬間

後ろからいきなり腕を引っ張られる




西｢ご機嫌だね｣




ふにゃり、と笑っているにっしーがいた




｢なんだ、にっしーか…｣

西｢俺じゃ不満なのかよ〜笑｣

｢いや誰かと思ってさ、びっくりした…｣

西｢ごめんごめん｣



謝ってはいるが手を離す気は無いらしく
未だにガッツリと握られている





｢どうしたの？｣

西｢あー…、なんか飲む？｣




一瞬、にっしーの顔が止まった気がした。

少し先の自販機を指さして私を見る




｢え！買ってくれるの？｣

西｢どうしようかな〜｣

｢なに〜笑｣




いつもなら何も言わず
くれたりするのに。

なんだろう？




西｢與の歌口ずさんでる子にはおごってあげません｣

｢え｣

西｢俺の歌歌ってたら買ってあげたのに｣

｢……どうしようか〜、？｣

西｢ふはっ、チョイス笑
ちょっといい返ししてんじゃないよあんた笑｣




いつもの笑顔を浮かべたにっしーは
満足したのかそのまま自販機の前まで私を引っ張り

ん、と好きなの押しなと私の手を離す


一言お礼を告げると
ピッ、とボタンを押す

派手な音を立てて落ちてきた飲み物を取り出すと
にっしーが自分の分のコーヒーを買い、近くのベンチに座る。

そして自分の隣をポンポンと叩く

大人しくその隣に座り、にっしーの言葉を待つ




西｢Aはもう帰り？｣

｢うん！｣

西｢あれ、終わったんだ｣

｢そう、やっとだよ〜
久しぶりにゆっくり寝れる笑｣



よかったね、とふんわり笑うにっしー。



｢…ねえ、喉でしょ｣

西｢え？｣

｢調子良くないでしょ｣



表情を変えないにっしーの
顔をじっと覗き込む



西｢あ〜もう、笑｣

｢？｣

西｢Aには嘘つけないな〜｣

｢あたり？｣

西｢あたり。
と言ってもそんな悪い訳じゃないけど。｣




あんまり酷使しなきゃ悪化はしないかな、と。



｢そっか、よかった笑
にっしーいつも隠そうとするから｣

西｢Aには隠さないよ｣

｢ほんとに？｣

西｢ほんと。笑｣




隠して悪化すると
俺より痛そうな顔するじゃん、A笑

とにっしーが笑う



当たり前じゃん
大事なメンバーなんだから。




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