AAAの末っ子

魔法 ページ32

ー西島side



西「よろしくお願いしまーす」

「お願いします！」



今日は俺のソロ活動の仕事
新しく出す歌のPV撮影なんだけど

今回ゲストに出てもらうのはA

メンバーで気を使わなくていい分
より素の自分が出せると思ってオファーをした

今日だって現場には二人で入ったし
いつものスタッフさんにまで
「今日はすごい楽しそうだね」ってもう二回も言われた



やっぱりいつでも俺の本当の笑顔だったり
楽しい気持ちを出させてくれるのはAなんだな



『じゃあまず最初のシーンからいきます』



スタッフさんの声がかかり
現場は一気にせわしなくたくさんの人が動きだす



「ねぇ、私今日何も聞いてないんだけど大丈夫？」



心配そうに隣のAが俺の袖を引っ張る



西「いーの。今日はただ楽しんで？」



何も伝えてないのはわざとだ。
もちろん、Aも演技くらい出来るけど
本当に楽しそうな素の笑顔はピカイチだ

それが引き出したくて、だからね。


設定は付き合ってる二人の何気ない日常を歌ったラブソング

曲調も優しく、あったかい。
まさにAにぴったりの曲。

なんならAをPVに出すのを先に決めてから歌を作ったくらい。



Aが好きそうな色んなプランを考えてあるから安心して？

そう伝えれば「わかった。楽しむ！」ととびっきりの笑顔を見せるA

そう、それだよ
今日俺が引き出したかった笑顔は



『ワンカット目いきまーす！』



そう声がかかるとAの手を引き
ビーチへと駆け出す


わっ、待って、！と慌てるA

振り返って笑えば
風を綺麗に味方につけ髪をなびかせたAがふわりと笑う


うん、さいこう、


青い空に広い海。
そしてAの輝く笑顔


まさに思い描いていた通りの構図に
自然に笑顔が溢れ出す



『カット！』



その声がかかるとAの手を離しゆっくり止まる



『西島くんいい笑顔だね〜！笑
もちろんAちゃんも！』

西「うちのAいい笑顔しますでしょ？」



そう返せば
『いや、今日は西島くんの方が楽しそう！』と返ってくる




西「俺ぇ？笑」

『今日は本当によく笑うね』



と。まただ。今日で三回目


俺はAといるだけで
どれだけ笑ってるんだろう


でも撮影は始まったばかり。

まだまだうちのお姫様を楽しませないとね笑




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