貧血 ページ17
・
『リハーサルよろしくおねがいしまーす』
全員でお辞儀をし、それぞれ自分の持ち場へ移動する
私の立ち位置は
中央ステージ
円の左側。反対側は秀ちゃん
でも立ち位置の確認だけだから、と
秀ちゃんと二人で円の真ん中に。
他の人が照明の位置やマイクやらと
調整をしている間、床にしゃがみ込むと
「どうした？」と秀ちゃんが私を見る
「ん？何もないよ。しゃがんだだけ笑」
末「紛らわしいことすんな笑」
「ごめん笑」
『苗字さん、ピンスポの位置一回立ってもらっていいですか？』
するとスタッフさんから指示が出て
「はーい！」と慌てて立ち上がる
その瞬間、一瞬視界が歪んで足元が少しふらついた
末「おっと、本当に大丈夫か？」
「うん。多分、軽い貧血」
末「そっか。無理すんなよ」
「大丈夫。ありがとう！」
支えてくれた秀ちゃんにお礼を言い、
急いで指示のあったステージの縁までかけよると
『おっけーですありがとうございます』と
イヤモニから声がする
はーい、と小さく返事をして
ふと足元に目を向けるとスニーカーの靴紐がほどけていた
よく解けるなぁ、紐変えようかなぁ、
なんて思いながら結び直し立ち上がろうとした瞬間
また視界が揺れる。
あ、やばい。
頭から血の気が引いて体が傾く
ここ、ステージの端っこだ
秀ちゃんの「A！」という言葉を最後に私は意識を手放した
ーーー
ー秀太side
「大丈夫。ありがとう！」
と笑うA。
多分その言葉は嘘じゃないだろう
でもこいつは自分で思ってるより
悪化してることもあるから、
今日は注意深く見ていようと決める。
Aはステージの端まで駆けていくと
おそらくイヤモニから聞こえる指示に従って動いているのだろう
その場で何度か飛んだり、少し移動したり。
しかし特に足もふらついてる様子もない
大丈夫か。
考えすぎだったか、と視線を戻すと
イヤモニから指示が流れる
その通りに動き、「おっけーです」と
返事をもらい、元の位置に戻ろうと振り返ると
Aが立ち上がろうとするのが目に入った
ゆっくり立て、と口を開こうとした時
嫌な予感は当たり
Aの体がゆっくりと傾いていく
それも床のない方へ。
末「A！！！」
走り出すが間に合うわけもなく
イヤモニをしていない方の耳から
ドサッという鈍い音が聞こえた
・
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Maria(プロフ) - おもしろいお話をありがとうございます！更新楽しみに待ってます！ (2020年1月13日 19時) (
レス) id: b602b67782 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - AAAみさちぁと秀太くん寄りのオールです最高です気温の変化が激しいので気を付けて更新大変だと思いますが頑張ってくださいね応援してます (2019年12月31日 11時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - ゆうさん» ありがとうございます！ (2019年12月18日 23時) (レス) id: 5ee54fe553 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 面白かったです！ こらからも頑張ってください！ (2019年12月18日 8時) (レス) id: 3d09ff0bd0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にこ | 作成日時：2019年12月12日 9時
