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五色くんの場合 ページ9

 
 

五色くんは優しいんです。
 
 
 
 
強豪である白鳥沢の部活にマネは私しかいないから、1年生の部員の子達も手伝ってくれる。その中でも五色くんは率先して手伝ってくれるんだけど、そこであった出来事。
 
 
 
 
 
 
1年生には練習に戻ってもらって、私は一人、ドリンクをシャカシャカ振ってたの。
 
 
 
 
「A先輩っ!手伝いますっ」
 
 
 
 
尻尾を振りながらやってきたのは言わずもがな五色くん。練習しなよって言っても、手伝い終わってからします!なんて言うのだ。優しさの塊だ。
 
 
 
白布くーん、川西くーん、常に私への態度が塩な君たち2人は彼を今すぐ見習うべきだよー!!
 
 
 
 
 
『 じゃあ、粉は入れ終わってるから、水入れて振ってくれる?』
 
 
 
 
「任せてくださいっ!!」
 
 
 
 
『 ちゃんと蓋閉めてね〜。
 
私、タオル乾いたか見てくるから』
 
 
 
敬礼した五色くんを一瞥して駆け足で物干しへと駆けた。
 
 
 
タオルをたたんでカゴに詰んでいると、五色くんの声が聞こえの。ぬわぁっ!?って。
 
 
少ししてからびしょ濡れの五色くんが登場。
 
 
 
「A先輩…こぼれちゃいました」
 
 
 
 
しょぼん。って顔をしてて、怒られたあとの犬を彷彿とさせた。
 
 
どうやら、蓋を閉めずにドリンクを振ったらしい。
おかしいなぁ、ちゃんと蓋閉めてって言ったはずなんだけど。
 
そう思ったけど、これ以上何か言うのはなんだか気が引けたから、大丈夫だよ〜とだけ声をかけた。
 
 
 
濡れてぺしゃんこになった髪の毛を、乾きたてのふんわりタオルでわしゃわしゃと拭いてあげれば、すぐに元気になった五色くん。目がキラキラしててもっともっととせがまれた。
 
 
 
これがまた可愛くて可愛くて。
そのあと思う存分撫でくりまわしたよね。
満腹です。ご馳走様でした。

 
 


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白布「…おかっぱ小僧呼んでくるわ」
 
 
 
川西「…俺はA先輩呼んでくる」
 
 
 
瀬見「お前ら目ェ据わってんぞ!?」
 
 
 
天童「英太くん、関わんない方がいいヨ」
 
 
 
 

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作者名:人畜無害。 | 作成日時:2017年11月23日 20時

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