【HQ】突然ですが、青春撮ってこい。 (ページ4)

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時は遡り、五月上旬。
　
　
　

　
クラスにも馴染んできた頃。
　
　
　
　
　
席替えが行われた。
　
　
私の隣の席は月島くん。
　
　
　
　
　
　
　
彼は度々、女子の中で話題の人物だ。
　
　
　
　
　
　
顔が整っていて、背も高い。
おまけに性格はクールときた。
　
　
　
　
　
　
それが女子のツボにハマり、彼はモテモテだ。
　
　
　

　
　
そんな彼の隣の席になってしまった私も、月島くんをかなり意識していた。恋愛感情がないにしても、面食い気質の私は変に意識してしまう。
　
　
　
　
だけど、隣の席になって一週間経っても私達に会話はなかった。話したいとは思うけど、話しかける勇気はない。
　
　
　
　
　
　
　
どうやったら話せるのかな。
　
　
　
　
　
　
そう悩んでいたある日。
　
　
　
　
　
　
ポトッ、
　
　
　
　
　
　
授業中に消しゴムを落としてしまった。
急いで拾おうと手を伸ばすと、誰かの手と重なって。
　
　
　
　

ふと、顔をあげたら──────────
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　

『 …月島くん、』
　
　
　
　
　
彼は消しゴムを拾い上げると私に渡してくれた
　
　
　
　
　
　
月島「はい、消しゴム。
　
　
　
　
　
　

…チョット、いつまでこっち見てんの。」
　
　
　
　
　
　
こんなちょっとした出来事のお陰で話せたことに驚いて暫く月島くんの顔をじっと見ていたらしく、月島くんは怪訝そうに眉根を寄せた。
　
　
　
　
　
　
　
『あぁ…、ご、ごめん！ありがとね。』

　
　
　
　
　
　
　
これが月島くんとの初めての会話だった。
　
　
　
　
　
　
　
　
そして現在────。
　
　
　
　
　
　
　
『お願い月島！』
　
　
　
　
　
月島「もっと、人に頼む時の言い方ってのがあるデショ？」
　
　
　
　
　
『ホント月島、性格悪っ！！！』
　
　
　
　
　
月島「え、性格悪い？それは光栄だな～」
　
　
　
　
　
　
にっこりといい笑顔の月島。
　
　
もうホント、初めて話した日に戻りたいよ、切実に。
　
　
　