201話 終結 ページ3
Aside
目の前で朔也が消えてしまった。
何故か朔也は清々しい顔をしていた。まるであの頃に…両親と朔也と朔也の両親と…皆で笑いあっていた日の時のように。
ズズズッ。
また黒いモノが私を支配していく。
心は嫌がっているのに…身体が言うことをきかない。
目の前には太刀川さんがいる。
何でそんなに辛そうな…苦しそうな顔をしているんだろう。
あなたには…笑っていて欲しいのに。
もう誰にも…傷ついて欲しくないのに。
剣を握る私の手に力が入る。
嫌だ、嫌だ。傷つけたくない。
A｢…た、たち…かわ…さ…。｣
全員｢！｣
緑川｢Aさん！｣
米屋｢気づいたか！？｣
太刀川｢A…。俺は……弱い。守りたいものを守れない。仲間を傷つけられても何も出来ない。大切な人を…救えない。｣
風間｢太刀川…。｣
太刀川｢でも…そんな俺の傍にはいつもお前がいてくれた。出水が、国近が、唯我が、ボーダーの皆がいてくれた。それだけで俺は楽しくて…幸せだった。これ以上なんか求めない。ただ…傍にいて欲しい。｣
A｢っ……！｣
何で…何であなたはいつも……
ズズズッ。
光がさす。黒いモノが…消えていく。
A｢いつも…救ってくれる……。｣
迅｢！…良かった。｣
緑川｢てことは…！｣
ニッ。
太刀川｢帰ろうA。また…皆で一緒にメシでも食べに行こうぜ？｣
カシャン。
剣が手から離れる。
心よりも先に身体が動く。
ダッ。
ぎゅうっ。
太刀川｢おっと……！｣
A｢太刀川…さん……！！｣
太刀川｢ん。おかえりA。｣
A｢っ…！｣
ぎゅうっ。
太刀川さんにきつく抱き締められる。存在を確かめるように。温もりが伝わる。
伝えたいことは沢山あるのに…言葉が出てこない。
ただ…今はこうして…太刀川さんが傍にいることを感じていたい。
タッタッタッ。
東｢全部片付いたみたいだな。｣
当真｢おー良かったぜー。｣
迅｢うん。太刀川さんがAちゃんを戻してくれたお陰だね。｣
A｢…はっ！｣
バッ。
皆の目の前で太刀川さんに抱きついてしまった…！
太刀川｢お？何で離れるんだよー。｣
A｢皆がいるからですよ！それより…出水先輩大丈夫ですか？｣
タッ。
出水｢おーなんとかな。｣
太刀川｢俺も腹刺されてっからな！？｣
小南｢あんたは大丈夫でしょ！！｣
太刀川｢なんだとっ！？｣
迅｢…やっと、元通りになったね。もう安心だ。｣
風間｢…そうだな。｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 116人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ヒナコ(プロフ) - とてもおもしろかったです(*ゝω・)ﾉ やっぱり太刀川さんカッコイイです！！！！！続き楽しみにしてます。更新頑張ってください！！！ (2021年2月14日 23時) (
レス) id: 9558fcebee (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：嶺真 | 作成日時：2019年4月20日 15時
