第40話 警察官に憧れて ページ42
.
「撃つ心算は……なかったんです」
被害者の山際女史は政治家の汚職事件を追っていたらしく、そこで予想外にも、ある大物議員の犯罪を示す証拠品を入手してしまい、不運にも命を狙われる身となった。議員も老獪、警察内のスパイを使って証拠を消そうとしていた。そのスパイこそが……。
「君というわけだね」
「昔から......警察官に憧れていました」
しかし杉本が試験に合格することはなく、3度落ちて落ち込んでいる時。警察官になりたいか。見知らぬ男に声をかけられたのだと云う。当然答えはyesだ。喉から手が出るほど欲しい代物だった。
そして杉本は議員の力で警官になり、その見返りとして指示にしたがっていたのだ。
「それではお前は議員の飼い犬として山際を殺したのか!?」
「ちっ違います!」
最初に云ったように杉本は、彼女を殺すつもりなど毛頭なかった。だから警告したのだ。このままでは消されるから証拠を手放せと。
しかし彼女は杉本の要求をこの上なく拒否した。
『山際さん、相手は本気です!』
『ではこちらも本気になるだけよ。馴染みの検察に渡りをつけたわ。後は証拠を渡すだけ』
『......ッ』
『杉本くん......?』
『証拠品を渡してください。もし僕が証拠の奪取に失敗したら次は殺し屋が動く。その前に』
『銃を降ろしなさい。貴方に私は撃てない』
『……その通りだ、僕には撃てない。だから――脅し方を変える』
『! やめなさい!』
自分の頭に銃を向けて、引き金を引いた――ハズだった。これから訪れるであろう強烈な痛みから少しでも逃れようと瞬間的に目を瞑ったのだが、いつまで経っても彼に痛みらしき感覚はやってこない。……おかしい。杉本が異変に気がづいた時には既に遅かった。
『××××××』
目に映ったのは、最期にそう云い残して、力尽きたように地面に倒れた彼女の姿だった。
「このままでは殺人犯、警察もクビになる。混乱した君が頼れる人物は皮肉なことに1人しかいなかった。電話した君に議員は証拠隠滅の方法を教え、君はその通り彼女の胸にもう2発撃ってマフィアの仕業に偽装。発見を遅らせる為川に遺体を流した」
194人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
綺羅(プロフ) - 太宰さんは、スカートなのですか? (2017年1月3日 10時) (レス) id: ba54971924 (このIDを非表示/違反報告)
パティー(プロフ) - 奈江さん» いえ、改善点を見つけられたのでこちらこそありがとうございました。 (2016年7月24日 23時) (レス) id: 67fd284f3f (このIDを非表示/違反報告)
奈江 - 確認しました。 わざわざ訂正ありがとうございます。お手数おかけしましてすいませんでした (2016年7月24日 23時) (レス) id: c67595ed82 (このIDを非表示/違反報告)
パティー(プロフ) - 奈江さん» 第1話だけ編集してみたのですがどうでしょうか(^^; (2016年7月24日 22時) (レス) id: 67fd284f3f (このIDを非表示/違反報告)
パティー(プロフ) - 奈江さん» お時間取らせてしまうかもしれませんが、できる限り改善したいと思います。教えてくださりありがとうございました! (2016年7月24日 22時) (レス) id: 67fd284f3f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:パティー | 作成日時:2015年11月2日 19時