検索窓
今日:27 hit、昨日:15 hit、合計:250,047 hit

第14話 お手並み拝見 ページ15

.


どうやら国木田君もその気らしい。お互い両者譲らず睨み合う。そして、まさか此処で異能力を――と敦君に思わせてからのジャンケンポン。
案の定、敦君は予想通りの反応を見せた。ジャンケンも予想通りの結果だった。私がパーで国木田君がグーを出した。詰まりは私の勝ち。
その前に2回連続であいこが続いてしまったけれど、結果オーライということで良しとしよう。国木田君は表情をコロコロ変えてくるから、ぶっちゃけ次何出すのかわかっちゃうんだよね。

「おい、落ち着け少年」

ジャンケンで負けた国木田君は酷く眉間にシワを寄せながら、爆弾魔の少年、谷崎君に怯むことなく話し掛けた。

「来るなァ! 吹き飛ばすよ!」

手元には爆弾のスイッチあり、迂闊に動くことがままならないのか、国木田君は仕方なく両手を上げた。此処で強行突破してしまえば淳君に不自然に思われるかもしれない。
こうして見ると、後輩に脅される先輩と云うのもなかなか悪くないけど。

「知ってるぞ、アンタは国木田だ! アンタもあの嫌味な『能力』とやらを使うンだろ!? 」

妙な素振りをしたら皆道連れだと彼は云う。

「これはまずいわね。探偵社に私怨を持つだけあって社員の顔と名前を調べてる。社員の私が行っても余計警戒されるだけだわ……却説、どうしたら」

とそこで、困った顔で敦君の顔を凝視する。私の心中を既に見抜いているだろう。直ぐに目を逸らされた。そしてニヤッと笑ってみせると、敦君は嫌な予感が的中したのか僅かながら身体をぶるりと震わせた。

「社員が行けば犯人を刺激するでしょ? だから無関係で面の割れてない敦君が行くべきだと思うの」

「むむ無理ですよそんなの! 第一どうやって」

「犯人の気を逸らせてくれれば後は私達でどうにかするわ。そうだ、落伍者の演技でもして気を引くと云うのは如何かしら」

この程度の揉事、武装探偵社にとっては朝飯前だ。信用し給え敦君。ということでお手並み拝見といきましょうか。

第15話 落伍者の演技→←第13話 不発爆弾



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (115 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
194人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

綺羅(プロフ) - 太宰さんは、スカートなのですか? (2017年1月3日 10時) (レス) id: ba54971924 (このIDを非表示/違反報告)
パティー(プロフ) - 奈江さん» いえ、改善点を見つけられたのでこちらこそありがとうございました。 (2016年7月24日 23時) (レス) id: 67fd284f3f (このIDを非表示/違反報告)
奈江 - 確認しました。 わざわざ訂正ありがとうございます。お手数おかけしましてすいませんでした (2016年7月24日 23時) (レス) id: c67595ed82 (このIDを非表示/違反報告)
パティー(プロフ) - 奈江さん» 第1話だけ編集してみたのですがどうでしょうか(^^; (2016年7月24日 22時) (レス) id: 67fd284f3f (このIDを非表示/違反報告)
パティー(プロフ) - 奈江さん» お時間取らせてしまうかもしれませんが、できる限り改善したいと思います。教えてくださりありがとうございました! (2016年7月24日 22時) (レス) id: 67fd284f3f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:パティー | 作成日時:2015年11月2日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。