第11話 重大任務 ページ12
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ドラム缶の中に入っていたのには理由がある。こうした自 殺法があると聞いたからには、試さずにはいられなかった。結果はこの通りただ苦しいばかりで一向に死ねなかったけど......。
すっかり騙された気分だわ。腹に力を入らないと嵌まっていくし、そろそろ限界というやつだ。
「でも自 殺なのでしょう?そのままいけば」
「苦しいのは嫌なの当然でしょう」
なるほど......? 敦君は頭にはてなマークを浮かべながらもちゃっかりと救出してくれた。ドラム缶を横に傾けられた時は少々痛みを感じたけど、流石の私も恩人に対しては文句の一つこぼせない。
「同僚のかたに救援を求めなかったのですか?」
「求めたわよ」
最もな質問だけど、私が助けを求めなかったわけがないでしょう。大いに求めた結果がこれなのよ。探偵社の皆は仕事以外のプライベートで首を突っ込みたくないのか、私に対してどれもこれも非協力的である。特に自 殺の話になると。だからまさか、敦君に助けられる末になるとは思ってもみなかったわけで。
「でも私が『死にそうなんだけど』と助けを求めた時、何て答えたと思う?」
「『死ねばいいじゃん』」
「御名答」
なんて他愛もない話をしながら足を進めていく。
そう、私には、ある重大な任務があるのだ。敦君を探偵社へ連れていくという、ミスれば一瞬で首が飛んでしまうような重大な任務が。
「ところで今日は何処に?」
「うん、あなたに仕事を斡旋しようと思ってね」
すると、嬉しそうにこちらを向く敦君。
「本当ですか!」
「伝手の心当たりがあるから先ずは探偵社に行きましょう」
――昨夜、探偵社の会議室。中島敦の入社の是非を見極めるまた入社試験について考える会、その名も"第1回入社試験大選交会"を開いた結果、入社試験は谷崎君の告げた提案『社内ニ於ケル厄介事ノ解決』に決定した。
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綺羅(プロフ) - 太宰さんは、スカートなのですか? (2017年1月3日 10時) (レス) id: ba54971924 (このIDを非表示/違反報告)
パティー(プロフ) - 奈江さん» いえ、改善点を見つけられたのでこちらこそありがとうございました。 (2016年7月24日 23時) (レス) id: 67fd284f3f (このIDを非表示/違反報告)
奈江 - 確認しました。 わざわざ訂正ありがとうございます。お手数おかけしましてすいませんでした (2016年7月24日 23時) (レス) id: c67595ed82 (このIDを非表示/違反報告)
パティー(プロフ) - 奈江さん» 第1話だけ編集してみたのですがどうでしょうか(^^; (2016年7月24日 22時) (レス) id: 67fd284f3f (このIDを非表示/違反報告)
パティー(プロフ) - 奈江さん» お時間取らせてしまうかもしれませんが、できる限り改善したいと思います。教えてくださりありがとうございました! (2016年7月24日 22時) (レス) id: 67fd284f3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:パティー | 作成日時:2015年11月2日 19時