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B60 ページ6

レ「……ここで止まったね」



エレベーターから降りて辺りを見回すレイチェル。

三人が降りたった場所は、
白い壁に、ブロックの地面。その上に
道しるべのようなレッドカーペットが一筋に敷かれた空間だった。

前方にしか道は無いのだが、
唯一の道は硬い鉄格子によって閉ざされている。


ザックはエレベーターの横の壁に目線を向けた。




ザ「……B3か

一気に上まであがりゃあいいのに、
いちいち止まりやがって……

またエレベーター探しかよ!」




飛び跳ねながら怒鳴り散らすザックに
レイチェルは「……そうね」と一言言うだけだった。

Aは鉄格子に右手を翳し、周りを見回している。




ザ「おい、頼むぞ。
テメェらは俺より頭のできがいいんだ。

しっかり出口までたどり着けよ!」



「いやザックもちょっとは協力しようよ!あははっ」



無責任なザックの発言に
さすがのAもザックを振り返って声を荒げた。

荒げたと言っても、この状況を楽しんでいる事は
まちがいないのだが……。




「まぁ、頑張ろうか!ね?レイちゃ〜ん」



レ「うん、がんばる。
役に立つようにする。

だから、神様に誓ったとおり、
ここから出られたら……殺して」



Aの横に並ぶように踏み出したレイチェルは、
顔だけをザックに向けて言葉を紡ぐ。

その言葉を聞いて、ザックとAは--Aは笑顔だが--呆れ顔である。




ザ「お前……ほんと何度もうるせぇな。
わぁってるよ」

「…一応言っておくけど、私は殺さなくてもいいからね?」
ザ「お前もしつけぇな!
俺は一回決めたら何が何でもやるんだよ!」

「やんなくていいよぉ!はははっふふっ」



ザックの返事があまりにも予想通りすぎて
また思わず笑いがこみ上げるAを他所に、
レイチェルは鉄格子についている唯一のドアに手をかける。




レ「……カギ、がかかってる。
……」




無言で眉を八の字にしてAを見つめるレイチェルに気付いたAは
「そうだねぇ、どーしよっか」と言いながらニッコリと微笑んでみせた。


悩む少女二人を差し置いて、包帯まみれの成人男性は
エレベーターの前を行ったり来たりを繰り返している。

そんな彼にAはまだ気になっている質問をぶつけてみる事にして
足を踏み出した。




「ねぇザック!暇なら私とお話しない?」

ザ「あぁ?なんだよ”お話”って」



レイチェルが一人ポシェットを撫でて
今の状況を打破する方法を考えている中、二人は話を始めた。

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ザックLove - 大丈夫です!あめしこうさんのペースで更新してください!いつまででも待ってます! (2017年9月8日 18時) (レス) id: efef187557 (このIDを非表示/違反報告)
あめしこう(プロフ) - ザックLoveさん» ありがとうございます!最近めっきり更新しておらず、申し訳ありません!!何とか隙を見つけて更新したいです((汗 (2017年9月5日 16時) (レス) id: f0e733c2b2 (このIDを非表示/違反報告)
ザックLove - 凄く続き気になります!楽しみにしてます! (2017年8月25日 20時) (レス) id: efef187557 (このIDを非表示/違反報告)
あめしこう(プロフ) - まなつさん» そう言って頂けると凄く嬉しいです!!有難うございます!頑張ります!! (2017年5月16日 12時) (レス) id: f0e733c2b2 (このIDを非表示/違反報告)
まなつ - とても面白い作品ですね♪続きがとても、気になっていますこれからも頑張ってください応援しています(\>д</)フレ~フレ~あめしこうさん (2017年5月5日 21時) (レス) id: 7e69eb4d86 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あめしこう | 作成日時:2016年12月21日 23時

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