[殺戮の天使] 無表情少女と連続殺人鬼に出会ったニコニコ少女[フリーホラー]

B19 ページ21

ザ「そいつは俺に殺されたくなくて
おべっか使って生きようと
したんだろうなぁ？

……俺は、嘘が嫌いなんだ」




ザ「だから−−殺してやったよ」




そう言うと、アイザックは大鎌を構え直した。
Aはいつもの調子で
その光景を見守っている。

レイチェルもまた、そうであった。





レ「……」


レ「……!!」
「…？」



レイチェルは何かを閃いたように顔を上げると、
言葉を発した。



レ「……その話は、私があなたに
殺してもらえることと関係するの？」
「まーた出たよ、そのワード!!!」



レイチェルの心境の揺るぎの無さに、
Aはケタケタと笑った。



ア「……あ？」




アイザックは一瞬意味不明とでも言いたげな顔をした。
レイチェルの言葉が理解できないでいるようだ。

レイチェルは、すかさず言葉を続ける。



…こんな時だけ饒舌な気がしたAであった。




レ「その手順を踏むと、
殺してもらえたりするの？

……あぁ、でも私が逃げるとき
５秒じゃなくて、３秒だった……」


ザ「……何言ってんだ？」
「ごもっともｗｗｗ」


次の瞬間、アイザックは弾かれたように構えを解いて
少々焦った表情を浮かべたまま
足早にレイチェルから遠退いた。

その行動の早さに、
上がった口角をさらに上げて笑うA。

アイザックの方へ歩み寄ってみると、
一人でぶつくさと考えているようだった。





ザ「……あー!?くっそ！そうか、
こいつ、俺に”殺されたい”んだった！

……−−つまり、
怖くないっつーのは……」


「”本心”って事だよね〜ｗｗ」

ザ「っせーな!!」
「ほんと言葉のレパートリー少ないよねｗｗｗｗｗｗ」





レ「どうしたの？」

ザ「……なんでもねぇよ！」



アイザックはいつもの調子に戻って、
Aの額をパシッと叩くと
レイチェルの方へ戻っていった。



「な〜んで叩くの」
ザ「うるせーからだよ!!」

レ「……？」


Aを黙らせるように軽く蹴りを入れると、
アイザックは二人に問いかけるように言った。



ザ「……つーか、なんで怖くねぇんだ」

レ「だって私、あなたのことを知らないから」
「私は〜…うーん、何でだろｗｗ」



二人の返事を聞くと、アイザックはじだんだを踏みながら
言葉を投げかけた。



ザ「知らないって、お前……。
こいつはともかくお前はその紙呼んだんだろ!?
字が読めるんだろうが！」

『こいつ』の部分で頭をポンポン叩かれたAは
ヘラヘラ笑った。

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