7つの港の大航海 (ページ2)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:304 hit

失った力２ページ2

「何これ、胡散臭っ。」
アカリは手紙を見ながら呟いた。
ホテルハイタワー…大富豪で探検家のハリソンハイタワー三世が作り上げた超高級ホテルの名だ。最近完成したばかりであり、近年ではパレードが開催された。
このホテルの主人は大富豪の他に自称マジカルスターとまで名乗っている。ただこの主人は庶民と人々を名乗りそれを嫌っていた。金持ちでもなく子供だと言う少女達に招待状を渡すなんてどんなつもりだろう？
それにアカリに用があるなんて…
アカリは何か不吉な予感がしていた。午後６時半
少女らはホテルハイタワーのロビーに来ていた。
アメリカンウォーターフロントに来るのは久しぶりだ。5年前にブロードウェイに訪れただけだった。
ロビーは少し薄暗い。壊れかけた像の足の上には主人と思われる写真が飾られてあった。高級ホテルといい見事であるが配置は明らかにぶっきらぼうで何か気に食わなかった。身の回りの人は偉い人ばかりだった。
タキシードを着た大手新聞記者、有名な豪華客船の船長、もちろんマジカルスターと思われる人々も…。
たった二人の子供はその光景に唖然とし興奮した。
本当に至るところから人々が集まっていたのだ。
この群衆の中、歓声と共に主人が現れた。
ハリソンハイタワー三世だ。トルコ帽と真紅のシャツがとても目立つ。その手には不気味な偶像が握られていた。
「…えー。皆さんようこそホテルハイタワーへ！」
この一言で周りからは歓声が響いた。
「今回はこのホテルでの記者会見を楽しんでくれたまえ！私の経験を踏まえてな！ハッハッハ！」
周りも主人と合わせて爆笑した。何だって？記者会見？私が招待された理由はそれだったのか？アカリは困惑を隠せなかった。午後７時ハイタワー三世の宝物の発表と共に食事会が始まった。シロアリの炒め、
カエルの丸焼き、トカゲのスープ…見るだけで吐き気が出そうだ。これはもてなしと言えるのか…？
気味の悪い食事会が始まった時、アカリは奥で話をしている四人組に耳をすました。
「やっぱりお前の予想通りだったな…」
「ああ。間違いない。やはり何かが起こるんだ。」
何かが起こる？どう言う事だろう。今後の記者会見のことか？アカリはもう少し近くに寄った。
「俺の予想は当たるって言っただろ？記者会見の後は何かが起こる。」
「それは何なんだね？」
「分からない…でも不吉な感じがする。」
一人がタロットを見せる…
「天罰…それが遺言だ…」
天罰…そう何かが起こるんだ…
アカリは悟った。