光を追って・・・１ ページ2
今から６年前・・・姉ちゃんはまだ中学１年生、俺は小学校３年生の時。
俺たちの父さんと母さんは・・・死んだ。
＿＿＿２００９年 １２月１０日＿＿＿
俺達の通う小学校と中学校は、家から２０分程の駅を少し越えた場所にある。
姉ちゃんが小学校１年生の頃から、家族で駅まで行くのが日課だったらしい。
この日も、いつものようにランドセルを背負った俺と、リュックを背負ってる姉ちゃん。
そして、俺達を挟んで歩く父さんと母さん。
いつもと同じ・・・はずだった。
いつもと同じように駅まで来た俺達は、手を振って別れた。
＿＿＿その時だった。
突然、駅のホームにいた男が、ナイフを持って、父さんと母さんの方に走っていった。
俺は姉ちゃんに目を隠された。
でも、そのあとに、姉ちゃんが俺に、父さんと母さんが刺されているところを見せないように俺を反転させ、抱きしめた。
そして、姉ちゃんの抱きしめる強さは、どんどん強くなっていってた。
当時の俺は、姉ちゃんに強く抱きしめられたことから、なんとなく父さんと母さんが死んでしまったのかと思った。
＿＿＿この時、姉ちゃんは既に父さんと母さんが死んだのが分かっていたのかもしれない。
慧「グスッ・・・お父さんとお母さん、死んじゃったの・・・？グスッ」
A「大丈夫。大丈夫だから・・・きっと・・・。」
でも、姉ちゃんの言葉は虚(むな)しく、父さんと母さんは、病院に運ばれてすぐに息を引き取ったらしい・・・。
この日は姉ちゃんも俺も、学校を休んだ。
親戚も、俺達を引き取ってくれると言った。
だけど、引き取ってもらったら転校しなくちゃならない。
俺はそれが嫌だった。
でも、そんな俺を、姉ちゃんは察してくれたのか・・・
「引き取ってくださると言って下さっているのは、とてもありがたいです。ですが・・・私達は、転校したくありません。なのでここに残らせてください。お願いします！！」
姉ちゃんが、必死に頭を下げてお願いしていたのを覚えてる。
親戚「でも・・・Aちゃんもまだ中学生だし・・・慧くんとか、生活とか・・・どうしていくつもりなの？」
「それは・・・親の保険金と私の貯金、銀行の口座番号もわかります！！高校行ったらバイトします。慧を精一杯養えるよう努力します！！祖母もいるので、家に慧が一人でいるような事だけはしません！！だから・・・だから、お願いします！！」
姉ちゃんは、土下座をして頼み込んでくれていた。
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作者名：神様 | 作成日時：2015年8月9日 18時
