友達 ページ5
SIDE 弓雅
湊と遼平が帰り、俺もそろそろ帰ろうかと思った時だった。
「弓雅、今日は一緒に帰ろう」
有無を言わさぬ顔で静弥が声を掛けてきた。
* * * * * *
『それで、何か話したいことでもあった?』
「友達と帰るのには理由が必要なのかい?」
『・・・・・』
友達と帰るのには必要なくても、大切な湊じゃなくて俺と帰るのには必要だと思うが。
「まぁ、聞きたいことがあってね。どうして、弓道部に入らなかったの?」
『別に・・・大した理由じゃないから』
「それでもいいから教えて」
『言わなくてもいいだろ』
「・・・弓雅はいつもそうだ!自分の事を全然話さない
弓道を始めたきっかけ、家の事、転校した理由だって・・・!」
『静弥、一旦落ち着け』
「なら答えてよ!」
『はぁ3つな。 まずは弓道を始めたきっかけ、な。本当に大した理由じゃないよ。
父親がやってたからなんとなく始めた。そのまま、なんとなく続けて強豪の桐先へ入学したけどそ
こそこ強くなったからやめようかなと思って風舞に来たって訳。
これで質問に答えたな』
「何で風舞に?桐先でも部活をやめれば済む話じゃ・・・」
『愁とかが絶対うるさいだろ。
わざわざ弓道部のない風舞に来たってのに森岡先生が・・・』
「そんなに弓を嫌いになったの?
僕は弓雅の射、好きだよ!会は綺麗だし、全然外さなくて格好良いし・・・」
恥ずかしがりながらも真剣に、説得しようとしている静弥の姿に俺はキョトンとした表情になる。
『ハハッ
面と向かって言われたことはないけど結構嬉しいもんだな』
「やめるの?」
『質問は3つまでって言っただろ。これ以上は禁止。じゃぁ、また明日』
そもそも弓を嫌いになってないし、湊にしか興味がないと思ってた静弥にここまで言われたら断れない・・・。
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竹早静弥
弓雅には、湊にしか興味ないと思われているが
湊と弓雅はどちらも同じくらい好き。勿論友達として。ただし執着はしていない。
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作者名:カル | 作成日時:2023年3月12日 22時