マサさんの息子、只今父と大喧嘩中【ツルネ-風舞高校弓道部-】 (ページ27)

今日:10 hit、昨日:10 hit、合計:18,153 hit

暖かい粥ページ27

「」

「え・・・？当たり前だよ」

「本当にそうなのか？俺には、――――――――――――――――――――――」
　
「ッ!!」

「―――っ!ハァハァハァ・・・。なんだ、夢か」

弓雅は息を整えながら呟くように言った。

「クソッ、嫌な夢を見た・・・。」

(そうだ・・・こんな思いは捨てないといけない。弓を引く上で邪魔なんだよっ、この感情は・・・！あぁ、イライラする)

自分に暗示をかけるかのように心の中で繰り返し言い聞かせているが、熱が出ていることも相まってか思考はまとまらず、気分が悪くなる一方だ。

(今、何時だ？)

ずいぶん長い時間寝ていたような気がして、弓雅はムクリと起き上がる。

時計は四時半を指していた。

(腹減った・・・キッチンに行こう)

何か簡単なものを作ろうと考えていた弓雅だったが、テーブルの上にラップのかかったお椀とメモ用紙が置いてあることに気付き、足を止めた。

「これを食って体調を良くしろよーって、これ雅貴が作ったのか・・・」

ラップをとると、お粥が入っていた。

椅子に座り、匙を手にとる。

「冷たっ。

けど・・・うま。」

すっかり冷めた無味のお粥は、

そこらの女の作った温かい飯よりうんと美味しかった。