ミッション開始 ページ3
「ミッション！！！なんすか？それ！」
弓雅はなんて胡散くさいだと思ったが、遼平の目は好奇心いっぱいにキラキラと輝いた。
「ここでは不味い。少し付き合ってくれんか？」
「どうする？」
「どうするって・・・」
「行こうぜ！」
普通行かないだろ、と弓雅は思っていたが、遼平は普通ではなかったらしい。
『はぁ』
ため息を付きながらも、置いていかれた弓雅と静弥は先に行った二人の後をついていった。
「そのミッションとは再生じゃ。生まれ変わらせる事じゃ。」
「蘇生術的な？転生とかゾンビ的なことっすか？」
「当たらずとも遠からず・・・じゃな」
絶対違うだろと思いつつも、弓雅は湊の表情のほうが気になっているので黙ってついて行く。弓道場に近づくに連れて不安そうな顔になっている。
「あ、ほれ。中へどうぞ」
森岡先生が鍵を開けて、中へ入るように促す。
「うっす」
一番に遼平が入っていき、後を追って弓雅、静弥、そして湊の順番に入る。
「うわぁすっげぇ！」
遼平が感動したように言う。
「せっかく弓道場があると言うのに弓道部は暫く部員が1人もおらんかった。
そこで校長先生が、わしに風舞高校弓道部再生のミッションをくだしたというわけじゃ」
その言葉を聞いて弓雅は考えた。
弓道部、ねぇ。
ということは森岡先生は弓道関係者ってことか。今年赴任して来たただの先生にそんな事を頼む校長がどこにいるかって話だしな。
「うぉーっし！俺、武道の必修で中２の後期から弓道やってたんっすよ！」
静弥と湊が驚いた顔をする。
「遼平が？」
「うん！高校でもやれたらいいなって思ってて！・・・はっ」
遼平が何かを思い出したような顔をする。
「トミー先生！この2人、湊と静弥は2人共弓道めっちゃ凄いんすよ！」
「おー！経験者かね？」
「そうっすよ！２人共中学の時から弓道部っす」
「なんで知って・・・」
「なんと、4人もいっぺんに経験者が見つかるとは・・・」
森岡先生の発言に違和感を覚え、弓雅は声を掛ける。
『何で、俺が経験者だって知っているんですか？』
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作者名：カル | 作成日時：2023年3月12日 22時
