第十一話 ページ11
弓道の団体戦は6人ってことにします。
別世界だとでも思ってください。
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「経験者諸君は集合じゃ」
森岡先生がの声で、経験者8人が集まる。
「君たち、県大会予選に出場してみんかね？」
『公式試合か？』
「うむ」
「開催って、来月中旬ですよね？間に合いますか？」
花沢さんが不安そうに聞く。
「妹尾と私、中学には弓道部が無かったので公式試合に出たことがないのです」
「え？じゃあ、どうやって弓道やってたの？」
「地元の弓道場に通ってましたの。」
「花沢さんも？妹尾さんと白菊さんとは別の中学なんでしょ？」
「私も試合経験ゼロです。」
「いいじゃん。出ようよ！可愛い女の子一緒だとおれ、やる気出ちゃうよ！」
七緒がグッドポーズをとりながらそう提案するが、
「如月くんのやる気の為に弓道はやっておりませんわ。」
白菊さんにそう言い返される。
「サ−セン」
「ぶふっ」
「どうかの？初試合。とはいえ、団体戦は6人が決まりじゃから生憎人数が足りん。
個人戦で参加ということでどうじゃろう？」
「別に、異論はありません。」
女子を代表して妹尾がそう答える。
「では、決まりということで———」
「待ってください」
話を締めくくろうとした森岡先生の言葉を静弥が遮る。
「ん？」
「僕は個人戦には、出ません。男子は団体戦にエントリーさせてください」
「は！？」
男子４人の言葉が重なる。
「何言ってんだよ！」
「5人しか経験者いないのに無理っしょ？」
「もう1人、入部予定の者がいます」
「あの腰抜けのこと言ってんのか？入るもんか」
『海斗に同意。個人戦にだけ出ればいいだろ』
次々に文句を言われるが、静弥は動じず言った。
「湊は、腰抜けじゃないし必ず入部する」
「入ったところで俺は認めないぞ。あんなヘタクソ」
『・・・・・』
弓雅も、海斗に連なって文句を言おうと思ったが、
ヘタクソではないと思ったので黙った。
「本来の腕前は湊の方が上だと思うよ？」
「あ‶？」
「はい、カットイーン！お二人さん、落ち着きなさい。」
ニコッと笑ったまま煽っている静弥に、眉根を寄せて怒りを表している海斗。
一触即発の雰囲気に、七緒の明るい声が割り込む。
「まぁ、申し込みはまだ先じゃ。もう少し、皆で考えるのがよかろう？」
「はい！」
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作者名：カル | 作成日時：2023年3月12日 22時
