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☆15 ページ16

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ポルチーニ茸のパスタを食べてまたくだらない話をしばらくした頃ナランチャはそろそろ帰ると準備を始めた。


玄関まで見送り何となく廊下を振り返った時ぞぞぞっと闇夜に吐き気を覚えた。



「A?」



「っ、どうしたの忘れ物?」



「何かあったらちゃんと言ってくれよ?」



ナランチャは時々核心をつく様な言葉をいう。

傘を渡そうと伸ばしていた手を思わず戻して叫ぶ様に懇願した。



「帰らないで」



「...え?」



「私、ナランチャに言ってないことがあるの」



菫色の目が私を見る。

大丈夫だと、素直に言えと語りかけてくるような温もりを感じた。



「暗闇が怖い、トラウマがあるの。

日本にいた時に__...“スタンド”の力に巻き込まれた事があって」



スタンド。

そう言った刹那葡萄色の瞳に冷たい色が垣間見えた気がした。

が、またいつもの瞳に戻り私を心配そうに眺めた。

彼は私の願いを了承してくれてまた自室のソファに腰掛けた。


まず初めに私はスタンド使いではない事を伝えた。



「“恐怖のサインを見せた人間を紙に閉じ込めるスタンド”

康一...あっ、日本の友達と歩いていた時に巻き込まれたの。

折り畳まれて真っ暗闇でずっと震えていた。

いつ紙を塵散りにされて死ぬのか分からなかった。

それでシュレッダーの音が聞こえた時ああ本当にもうダメだって思ったの。
結果的に幼馴染みが助けてくれたんだけど」



けど後遺症は消えない。

仗助がそいつをボコボコに殴り飛ばしても私の胸には大きな歪みが残っていた。



「...俺と別れた後、いや毎日毎晩その想いを抱えていたのかよ」



「うん...」



ごめんと吐き出された言葉には微かな怒気が含まれていた。

そのスタンド使いに対してか、それとも今更打ち明けた私にかは分からないけど。

もしかしたら両方だったかもしれない。



「これからも傍にいるからよ。
辛い事打ち明けてくれてありがとな」



両手で口元を覆い震える唇を隠した。
鼻の奥がつんと痛み息が震える。



「ありがとう、ナランチャ...っ」



「俺こそだぜ」



.



それ以来ナランチャは親がいる日以外の夜を共に過ごしてくれた。

浮ついた関係とかは特になく本当にただ傍に居るだけ。


始めはそんなに私に魅力がないのか!?ってショックだったけど次第に違うと気付いて、気付けば夜は怖くなくなっていた。


ナランチャは私に多くの物を与えてくれた。
私には返せないほどに。






彼に会いたい。

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- ほんとに...ナランチャ...いやほんとにいい話でしたほんんとにありがとうございます...!!!!! (2月20日 23時) (レス) @page26 id: d599ec02c4 (このIDを非表示/違反報告)
食人(プロフ) - こんなに泣くとは思わなかった…すごく、素晴らしい作品です (2022年7月26日 13時) (レス) @page47 id: e21618e8ed (このIDを非表示/違反報告)
れい - 顔がぐちゃぐちゃになりました...本当にいいお話で、すごかったです!(語彙力なくてすみません)このような作品を読ませて頂いてありがとうございます!この作品に出会えてよかったと本当に思います...二人が本当に幸せになれるように祈ります...(長文失礼しました) (2021年7月24日 0時) (レス) id: 231e6087c7 (このIDを非表示/違反報告)
- 号泣しました…。目擦りすぎて睫毛ぼろぼろ抜けました。私の持ち得る限りの語彙力を総動員しても、この素敵な作品の尊さを表現し尽くすことはできないかもしれません…。本当にこの作品と出会えて良かったです。全細胞がディモールトベネ!と喜んでます…… (2021年3月22日 4時) (レス) id: fc7ac22f29 (このIDを非表示/違反報告)
鈴鶴@メガネ=本体(プロフ) - イスカさん» ありがとうございます!しかも他の作品まで...!圧倒的感謝です!!これからも精進して参ります! (2019年9月27日 22時) (レス) id: 022f546ed4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鈴鶴@メガネ=本体 | 作成日時:2019年6月30日 22時

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