仁頁 ページ4
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目を開けた。
水面が穏やかに揺れる。
息苦しさはとうに消えていた。寧ろ心地よかった。このまま楽に死ねるなんて、入水はなんて素晴らしい。
もう一度目を閉じようとしてふと気が付いた。
...水面が、赤い？
いつの間に夕方になったのだろう。そんなに私は流れていたのか。...いやいや、そんな筈ない。ついさっき落ちたばかりだ。
不意に瞼が重くなった。死が近づいてきている。今度こそ目を閉じようとしたその瞬間、
＿＿＿＿...ドボンっ
あたり一面、ぱっとキラキラ輝く光の粒になった。キラキラ、キラキラそれらは私の視界を銀砂の世界で埋め尽くす。
一瞬何がなんだか分らなかった。＿＿泡だ。
そして泡から手が伸びてきて、あっと言う間もなく引き上げられた。
水面から顔が出た瞬間、とてつもない息苦しさに襲われた。肺に侵入した水を吐き出す。
＿＿＿＿何で...助かった.....!?
犯人を見ようとしたが、見えたのは再び川に飛び込む彼だった。少し向こうに同じように流れている人が居る。
直ぐにズルズルと人が人を引き摺って川から這い出てきた。助けた側の彼がゲホケホと噎せ返る。
チラッと彼は私ともう一人を見た。
助けた側は...ボロボロの服に銀色の髪の毛。
そんな漫画じゃあるまいし。
もう一人は...砂色の外套、手入れされていない黒い蓬髪...身形の整わぬ格好。
その時、パチッと彼が目を覚まし素早く体を起こした。その不気味さに私は助けられた怒りも忘れ後ずさる。
「二人とも川に流されてて......大丈夫？」
「助けんなよ」
「助かったか。......ちぇっ」
同時にそう呟く。
銀髪の彼が目を見開いた。心底驚いた様だ。...ま、そりゃそうか。
「君かい私の入水を邪魔したのは」
「邪魔なんて 僕はただ助けようと＿＿＿＿入水？」
...え、まさかだけど
「...まさか知らないの？」
「つまり自×だよ」
「は？」
ますます分からない。彼はそう言いたげに首を傾げ、眉を顰めた。
そして知らなかったのか。
...勇気を出して飛び込んだのに
そこで気が付いたこと
＿＿＿＿ここ、何処？
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羅尓 - 久しぶりに涙が出ました。 (2021年7月26日 12時) (
レス) id: 9b89cbfb6e (このIDを非表示/違反報告)
たまり - 私も名古屋です！(誰得)お話すごく好きです。応援してます！ (2018年7月25日 16時) (レス) id: 7ebfe7ebc4 (このIDを非表示/違反報告)
はねこ(プロフ) - キャラがはっきりしていてとても面白いです。シリアスなテンションの話なのに不思議とサクサク読めました。これからも頑張って下さい！ (2018年3月27日 22時) (レス) id: 4e46b846c9 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ - 名古屋の方なんですね！私も名古屋人なんですよ！←で？ 凄く面白いです！頑張ってください (2017年12月28日 13時) (レス) id: 619380b1ab (このIDを非表示/違反報告)
庵(プロフ) - 読んでいて凄くワクワクしました！凄く面白かったです、早く続きが見たくて仕方ないです。更新楽しみにしてます(*'v'*) (2017年10月11日 12時) (レス) id: 80af1d3c01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴鶴＠メガネ＝本体
| 作成日時：2016年7月26日 22時
