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二十六頁 ページ28






「...どうしたの、Aちゃん」



突然目の前に太宰さんの顔が割り込んで来た事で、私の思考は中断された。



「...何がですか?」



「昨日出掛けてからずっと上の空じゃないか。
...何かあったのかい?」



「......、...いえ、何も」



言えるわけ無いじゃないか。世界への帰り方が分かったなんて。

その帰り方が____...





ー前日ー



『帰る方法はね____



来た時と同じ事を、丁度1ヶ月後にやるの。
それでも帰れる確率は低いわ。
来るだけでも凄い事なのに。』



『来る時と...同じ事...』



その場合...私は...



『飛び込み...自✕......』




ぞくっとした。


また、川に飛び込まなくちゃいけないなんて。下手すれば、死んでしまうのに。



『そう...。貴方は自✕で来たのね...』



『...?あなたは?』



『私は寝不足で運転していたら、崖から落っこちちゃったのよ。』



『...何処で知ったんですか?帰る方法を』



『簡単よ。

以前にもトリップをした人のデータを調べ上げたの。

中には何回も成功している人も居るみたい。

ただ、帰れるのは1ヶ月後のみ。
その機会を逃せばもう...帰ることは...出来なくなる』



彼女はとても苦しげにそう吐き捨てた。



『私は...帰ってからも苦しみ続けなくちゃいけないのよ。

この手で、何十、何百人と人を殺めてきた...ッ!!


私は、この世界が嫌いよ...!!

どうして...こんな力を持ってるの...!!何でこんな力なの...!!』



ざわざわと風が騒ぎ出す。
日が落ち、辺りはもう薄暗くなっている。



『でも...帰らなくちゃいけない。
向こうで待ってる人達が居るから』




____...




私には待ってくれる人達が居ない。

私は現実から逃げ出した人間。

正に、人間失格。




私は、人間失格者だ。




キーボードを叩く力が自然と強くなる。

帰るべきなのか分からない。
帰ってどうするの?何が出来るの?


一度逃げ出した様な人間が、どうして平然と戻れる?



唇を噛み締めると、ぶわっと血の味が広がった。

死にたい。

けど、心のどこかで「死にたくない」と叫ぶ私がいる。




...私は......どうするべきなの......?

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羅尓 - 久しぶりに涙が出ました。 (2021年7月26日 12時) (レス) id: 9b89cbfb6e (このIDを非表示/違反報告)
たまり - 私も名古屋です!(誰得)お話すごく好きです。応援してます! (2018年7月25日 16時) (レス) id: 7ebfe7ebc4 (このIDを非表示/違反報告)
はねこ(プロフ) - キャラがはっきりしていてとても面白いです。シリアスなテンションの話なのに不思議とサクサク読めました。これからも頑張って下さい! (2018年3月27日 22時) (レス) id: 4e46b846c9 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ - 名古屋の方なんですね!私も名古屋人なんですよ!←で?   凄く面白いです!頑張ってください (2017年12月28日 13時) (レス) id: 619380b1ab (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 読んでいて凄くワクワクしました!凄く面白かったです、早く続きが見たくて仕方ないです。更新楽しみにしてます(*'v'*) (2017年10月11日 12時) (レス) id: 80af1d3c01 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鈴鶴@メガネ=本体 | 作成日時:2016年7月26日 22時

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