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十七頁 ページ19





誰も居ない探偵社...資料庫。



「そこに侵入する私...っと」



まぁ、許可は貰ってるんだけど。
昨日はダンボールの書類半分を見たので今日は残る半分、今日は流石に彼等は忘れ物したりしてないだろう。

口に小さな懐中電灯を咥え、書類を繰る。
腰まである長い髪の毛がマントのように背中を覆い、じっとりと汗が滲む。
そしてふと、元社員の書類を見つけた。


「田山花袋...、現在ニート生活謳歌中...。
凄い人だな」


ペラリ


「秋吉理香子...現在レストラン〈オアシス〉の社長...!!見つけたっ!!」


社員歴は僅か一週間...そんだけなんだ...。
半月前に退社...。


「異能力は...〈自×予定日〉?
________!!な、何...この異能力...!!」


異能力の説明を見て今度は嫌な汗が流れた。








「......へぇ、また忘れ物かい?資料庫に。」


明かりがぱっと私を照らした。
入口を背負って立つその人は____


「だ、太宰さん...」


「はぁい♪」


にっこり微笑む彼、何で、何、で...


「何で此処にと言いたげだね。

だって君、行動とか感情とかバレバレ何だもん。だから今夜も漁ってるんだろうなって思って。」


で、と彼は続けた。


「こんな所で何してるんだい?」


「そ、それは...。」


口を閉じた。
なんて言えばいいんだろう...。違う世界から来たなんて、社長みたいに信じて貰える訳ない。第一、社長だって信じてくれてるか分からない。


「......ま、言いたくないならいいよ。
でも一つ言える事は、此処にお目当ての物は無いと思うんだ。だから特務課とかに聞いてみればいいさ。能力者なら簡単に会えるだろう。」


以前、零細探偵社呼ばわりされちゃったしね。
と、太宰さんは何もかもお見通しの様に笑った。
コロコロと笑いが変わる人だな...。


「さ、もうここから出よう。じゃないと出るかもよ、これ」


これ...って、まさか


「幽霊?そんな非科学的な物存在するわけ無いでしょ」


書類をダンボールに元通りに戻す。


「いいや、分からんよ?さ、もう出来たね。帰ろ帰ろー!」


太宰さんと私は電気を消し、ドアを開けた。


そこには____人がぼぉ...っと立っていた。
俯いていて表情が伺えない。

ただ突然のことに私は絶叫した。



って...



「乱歩さん...ですか。」


「ん?何してるの二人共」


そこに居たのは駄菓子を頬張る乱歩さんだった。


(え、何してるんですか?)

(忘れた駄菓子取りに来た)

(は、はぁ...)

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羅尓 - 久しぶりに涙が出ました。 (2021年7月26日 12時) (レス) id: 9b89cbfb6e (このIDを非表示/違反報告)
たまり - 私も名古屋です!(誰得)お話すごく好きです。応援してます! (2018年7月25日 16時) (レス) id: 7ebfe7ebc4 (このIDを非表示/違反報告)
はねこ(プロフ) - キャラがはっきりしていてとても面白いです。シリアスなテンションの話なのに不思議とサクサク読めました。これからも頑張って下さい! (2018年3月27日 22時) (レス) id: 4e46b846c9 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ - 名古屋の方なんですね!私も名古屋人なんですよ!←で?   凄く面白いです!頑張ってください (2017年12月28日 13時) (レス) id: 619380b1ab (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 読んでいて凄くワクワクしました!凄く面白かったです、早く続きが見たくて仕方ないです。更新楽しみにしてます(*'v'*) (2017年10月11日 12時) (レス) id: 80af1d3c01 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鈴鶴@メガネ=本体 | 作成日時:2016年7月26日 22時

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