今だけ、君を思ってもいいですか？【妹尾 匡】

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「ただいま」



その一言は空を切るだけなようで




叔母さんは仕事だし、匡君も仕事か部活で家にいる時間が極端に少ない




今日も、一人かな




カバンを置くとドサと自分のベッドに横になる




ピンクが多い私の部屋




女の子らしくなるため




匡君と一緒に走り周っていた幼い日々が懐かしい




一緒にストライドの練習して




私は、女子だから試合には出れないと知った時はショックで一日中走り周ってたっけ




その時はちょっとだけど匡君は笑ってたけどな




向かいのドレッサーにくしゃ、と制服がしわがついたまま寝ている私が写っていた





あ、制服しわになる




重い体をのっそりと持ち上げると




西星の制服を見て、ため息をついた




あんなに行きたくて、匡君に少しでも近づきたくて




頑張って入った西星学園




芸能課なんて私に向いてないのかもしれないけど




とりあえず頑張って歌の練習も散々してダンスもこっそりダンス教室に通って




芸能課に入るために頑張った結果




西星は私をとってくれた




だって、西星は普通に行くと神奈川の鎌倉




西星の芸能課に通っている匡君は東京の六本木




遠い、遠すぎる




だから芸能課行ったのに、匡君とは全然会えないし




やっぱり周りにかわいい子しかいないし




ちょっと最近は自暴自棄になってきている




パッパと部屋着に着替えて台所に向かう





エプロンをつけて、夕飯を作り始めた





叔母さんも匡君もいつ帰ってくるかわからないから




手軽にチンして食べれる物を




この感じにはもう慣れた




ご飯と洗濯機を回すのは私の仕事




洗濯物は叔母さんが帰ってきたらやってくれるから心配ない




朝は自分で弁当を作るから朝ごはんもついでに作る





今日は、匡君と夕飯を食べれるだろうか

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