【d!】また夢の中で【ci】 (ページ7)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:5,526 hit

7 ページ7

今日はメアリーと二人で水汲みに行く事になった。

滅多に行かへんらしいその場所は羊小屋から結構離れた所にあって、柵の向こう側やった。

メアリーに、絶対に私の傍を離れないでねなんて真剣な顔で言われたから。なんかプロポーズみたいやなあ、とかちょっとアホな事考えてしもて、1人で照れてた。

｢柵の向こう側は初めて来たな｣

｢そうだね。私も久しぶり｣

｢そういえば行ったらあかんって言うてたやん？なんであかんの？｣

｢さあ、なんでだろう。広すぎて帰って来られないからかな｣

曖昧な返事にちょっとモヤモヤした。

柵の向こう側の水汲み場は、柵を超えてちょっと歩いたところにあった。一直線に流れる川は草原と同様果ての果てまで続いている。川の水は透明で透き通ってて魚も泳いでるみたいやった。

｢あ、魚やん。こんな魚見た事あらへんけど｣

｢ふふ、美味しいんだよ。今日の晩御飯にしようか｣

｢今日は魚やな！｣

バケツ2杯分いっぱいに水を汲んで、魚も数匹収穫し羊小屋へ帰ることになった。この水もいつも1人で運んでたんかな。重かったやろなと思って、これからは俺が汲む事にしようと決めた。

そんな事を考えてる俺を後ろからメアリーが見つめている事には気づかんかった。