【d!】また夢の中で【ci】 (ページ4)

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｢エミリー、羊たちにご飯をあげてきてくれる？｣

｢わかった～｣

俺がここに迷い込んでから数日がたった。数日って言うても、正確な日数とかは知らんけど。
ここに来てわかったことは、ホンマに俺ら以外は誰もおらん事。空模様が変わらへんから朝も昼も夜も感じ取れへんこと。

メアリーについては毎日羊と戯れお茶をして過ごしてる事、笑った顔が可愛い、面倒見がいい。意外とドジやし自分の事に関してはズボラや。

｢おー、よしよし。おはようおはよう、ほらご飯やで｣

(朝ごはんを持った)俺めがけて羊たちがわらわら寄ってきた。いやあ、なんかこういうの気分ええな、モテてるみたいで。

バケツに入った羊のご飯を手に持ってパラパラと撒いた。羊のご飯はちょっと大きい金平糖みたいなやつで、色もカラフル。

以前メアリーに、これなんなん？って聞いたら、夢のカケラ、とかまた訳分からんこと言い出したからそれ以降なんも聞かんことにした。

｢美味しいか～？よしよしかわええなあ～｣

羊には名前がついていて、1匹1匹首にネームタグがある。
名前覚えよう思ても俺には全く見分けつかへんから、覚えるのは早々に諦めた。

せやけど1匹だけ覚えとる奴がおる。

なんでかっていうとエサの時なったらみんな群がって来よんのにそいつだけ遠くの方からこっちを見てるだけやから。

｢お前もこっちおいで、お腹すいとるやろ｣

そう言って金平糖を1匹離れたそいつにもあげに行くのだ。