挨拶 ページ10
「わざわざありがとねー忙しいのに」
廊下を歩きながら玲奈が言う。
あの後私は玲奈のグループの出し物を確認した。
写真単体ならば十分な出来だったが、展示方法を少し修正させてもらった。
予想はしていたことだが、「不良」と呼ばれ恐れられている人たちのグループなだけにチェックのお願いをしようとしても全力で逃げられていたようだ。
その話を聞いて、思わず吹き出した私に「おいテメッ・・・笑うなおい!」「色々めんどかったんだぞ俺らだって!?」と赤面した不良系同級生の顔をはっきりと覚えている。
「いいって!私と玲奈の仲でしょ」
「そだね!ほんとAと会えて、こうして友達になれて良かった!」
「やだな、大げさすぎ。私だって玲奈といられて嬉しいよー」
「もうAダイスキっ!!」
きゃあきゃあしながら廊下を並んで歩き続ける。
「そういえばA、さっきライン来てた生徒会の集まりってまだなの?」
思いついたように言った玲奈に、私は微笑んだ。
「うん、まだ時間あるから焦らなくて大丈夫。ちょっと雑談でもしよっか」
「えーするする!」
私は玲奈の嬉しそうな顔が大好きだ。
その時。
ふと何かを感じて、私は前を見る。
そこには狐弾先輩がいた。
何やら忙しそうに廊下を走っている。きっと文化祭関係だろう。
生徒会長なのだから、他の生徒会役員とは忙しさのレベルが違うはずだ。
先輩たち3年生の教室は少し離れている。ここを通るなんて珍しいなと、ふと思った。
私に生徒会関係での用があるわけではないらしく、私の隣を過ぎようとしていた。
次の瞬間、
「・・・ちわ」
小さく聞こえてきたのは、狐弾先輩の「こんにちは」と思われる言葉。
「え?あ、えと、こんにちは・・・」
慌てて答えたときにはもう狐弾先輩はずっと後ろ。
これ、聞こえてないな・・・。
先輩らしくない挨拶だが、きっと急いでいたせいだろう。
「ねえ今の何!?何今の!?」
振り返って狐弾先輩を見つめる私に、玲奈が目をきらきらさせながら聞いてきた。
狐弾先輩もそうだが、玲奈は一体どうしたと言うのだろうか?
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夕和(プロフ) - sogu508さん» ちょっとそのコメントやめてwwwめっちゃ笑ったwwwww (2022年11月29日 20時) (レス) id: 40c359dc38 (このIDを非表示/違反報告)
sogu508(プロフ) - どうも狐弾先輩です。読者の皆さん俺の彼女がお世話になっています。不思議な気持ちですが毎回楽しみです。 (2022年11月29日 20時) (レス) @page15 id: 4549537148 (このIDを非表示/違反報告)
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