検索窓
今日:2 hit、昨日:5 hit、合計:3,128 hit

下校 ページ7

【夢主Side】



通学鞄を肩にかけ、私は教室を後にする。


カチャ、と鞄につけたキーホルダーがぶつかり合う音が、しんとした教室に響いた。


当たり前だが、教室には誰もいなかった。教師はいるだろうが、生徒は恐らく私と狐弾先輩のみ。


日が沈み、薄暗くなった廊下をゆっくり歩く。


自分の足音がよく響く。まるで、全く知らないどこかにいるような気がした。


夕方や夜に学校へ行くと全く違ったふうに見えるという話はよく聞く。漫画や本にも時々出てくるシーンだ。


まさしく今自分がその状況にいることが本当に不思議だと感じた。


(帰る時間は確かに遅くなったけど、逆にこの時間に帰ることができるのは狐弾先輩のおかげだよね)


そう脳内でつぶやくと、口元が自然と綻ぶのがわかった。


一人で笑っているところを誰かに見られでもしたら変人扱いされるに決まっているので、慌てて表情を正す。


でも心の中はずっと笑顔。それくらい先輩は人を惹きつける人なのだ。


靴を履き替えて校門を出ると、少し肌寒かった。


早く家に帰って宿題をしなければ。普段より少し早足で歩きだす。


ふと後ろから自転車のチチチという規則的な音が聞こえた気がして、私は振り向いた。


道路を挟んだ向こうからやってきたのは狐弾先輩。


そうか、狐弾先輩は自転車通学なんだ。


狐弾先輩が私を追い抜く。


唐突に、彼の左手がハンドルを離れた。


「!!」


狐弾先輩は、私に向かって大きく手を振っていた。


(え?先輩の同級生に向けて・・・ではないよね?私しかここにはいないし・・・)


戸惑いつつも手を振り返すと、狐弾先輩は満足そうに前を向いて、再び自転車を漕ぎ出した。


あっという間に遠ざかっていく先輩の後ろ姿を、私は何もできずに見つめていた。








【謝罪】
更新が遅くなってしまい申し訳ありませんでした!
主がコロナウイルスの3回目ワクチンを摂取して副作用で寝込んでいたことと、部活動が大変忙しかったことにより更新する時間が作れませんでした。
今後も少し更新が遅くなるかもしれませんが、何卒ご了承ください。

後輩女子→←努力家



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (21 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
5人がお気に入り
設定タグ:カーネーション , 恋愛 , 生徒会 , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

夕和(プロフ) - sogu508さん» ちょっとそのコメントやめてwwwめっちゃ笑ったwwwww (2022年11月29日 20時) (レス) id: 40c359dc38 (このIDを非表示/違反報告)
sogu508(プロフ) - どうも狐弾先輩です。読者の皆さん俺の彼女がお世話になっています。不思議な気持ちですが毎回楽しみです。 (2022年11月29日 20時) (レス) @page15 id: 4549537148 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:たまき | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年4月12日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。